美容院で、カラー、パーマ、縮毛矯正などのケミカル施術をする場合に
「カラーの前に、ダメージ軽減の前処理トリートメントをプラス1000円で出来ますがいかがですか?」
等と提案されたことがある方は多いと思います。
あれってなんなの? 必要? とかいろいろ疑問をお持ちだと思います。
一つ一つ説明していきますね。
先に結論を書くと「超大事」です。
美容院でする施術としてはサロントリートメントよりも重要ですよ!
前処理トリートメントとは?
前処理トリートメントとは、カラーやパーマ等のケミカル施術の前(処理する前)に、施術によるダメージを軽減させるために使用するトリートメントのことです。
そして、この前処理トリートメントには言い方がいろいろあります。(美容院によって)
PPTと言う美容院もあれば、処理剤というとこもあるし、前処理剤と言ってみたり、前処理トリートメントといったり保護剤と言ったり・・・etc。
これ全部、基本的には同じジャンルのものというか、言い方が違うだけです。
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例えば、僕が若いころはPPTとか前処理剤とか言われることが多かったですかね?
この2つは同じ意味で、PPTという成分をカラーなどのケミカル施術をする前に入れることから
- そのまんまPPTと言う美容院もある
- PPTを施術前に毛髪につけるので、施術前に処理する剤ということで、前処理剤と言う美容院もある
という感じで言い方の違いがありました。
PPT(ポリペプチド)とは
で、このPPTというのは、ポリペプチドと言って、
- アミノ酸「●」が少量でくっつくとPPT「●●●」
- アミノ酸「●」のくっつく量がある一定数を越えるとたんぱく質「●●●●●●●」
といった関係のものです。
んーわかりづらいですね(=_=)
数珠のブレスレット。
- 分解して1個だけにした時・アミノ酸
- 2個~9個まで連なっている時・PPT
- 10個以上で連なっていたらたんぱく質
っていったら何となくわかりますかね。(数は適当ですよ。)
つまり、アミノ酸とPPTとタンパク質は「ほぼ同じ成分だけど入れる時のサイズが違う」ということです。
ちなみにPPTはアミノ酸の集まりなわけですが、そのアミノ酸の組み合わせによって「コラーゲンPPT」や「ケラチンPPT」など性質が変わります。
なぜ前処理トリートメント・保護剤などと言うのか?
僕が新人の頃は、毛髪の処理剤と言ったらPPTがメインでした。
上記で書いたようにケラチンPPTやコラーゲンPPTなどがあり、「ハリコシを出したいからケラチンを」とか「しっとり感が欲しいからコラーゲンを」等の目的に応じて、PPTの種類をお客様の毛髪に合わせて使用していました。
カラーやパーマの施術前にダメージの軽減の為にPPTを補っていたので、前処理剤のことをPPTとそのまま言うことも多かったのですが、最近では(と言っても結構経ちますが)PPT以外の成分(特にCMC成分)を処理剤として利用することが増えてきたので、前処理剤をPPTと呼びことはなくなってきています。
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CMCとは・・・間充物質と言われ、読んで字の如く、間を満たす(充填する)脂質成分のことを言います。キューティクルの間にあることで、キューティクルは接着されツヤが出て、毛髪内ではたんぱく質同士を接着することで弾力性やたんぱく質の流出を防いでいます。代表的なCMC成分にセラミドや18MEAがあります。(セラミドの名前の由来はセメントと似た性能があるので、そこからもじってセラミドになったという説もあります)
CMCなどの補修をするシャンプー特集はこちら
⇒「市販込|ヘアカラー・パーマのダメージの違い別おすすめケアシャンプーランキング」
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こうしてPPTという呼び方は少なくなってきて、
- カラー、パーマ前に処理をするもの⇒⇒「前処理剤」
- カラー、パーマから、髪を守るもの⇒⇒「保護剤」
などと言われることが増えてきました。
そして×2、
今一番よく聞く言い方?が前処理トリートメントとかって言い方になるのですが、これは、ホットペッパー等のポータルサイトの普及が影響していると思います。
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例えばですが「当店では、カラー、パーマの前に前処理剤を使用しています。」と書くよりも「当店ではカラー、パーマの前に前処理トリートメントを使用しています。」と書いた方が、
「詳しくは、なんのこっちゃかわからないけどトリートメントって書いてあるからいいんだろうな」と感じませんか?
宣伝のうまさが集客の決め手になっている今の時代の中で、より良いものに聞こえるように使われているのが前処理トリートメントという言い方ですね。
前処理・中間処理・後処理とは?
美容院によっては、前処理トリートメントと書かずに、「カラー・パーマ施術に組み込むことでダメージ軽減が出来るトリートメント」的ないい方をするお店もありますが、
その理由は、実は・・・。
前処理以外にも中間処理・後処理というものもしているからです!!
前処理トリートメントと書いてしまうと、「施術前の処理しかしてくれないのかな?」と思われてしまうかもしれませんからね。
例えばパーマですと、
- 施術前に栄養を補うのが前処理。
- パーマの1液と2液の中間で栄養を補うのが中間処理。
- 2液も終わってロッドアウト後等に、栄養を補うのが後処理
となり、施術の前・中間・後に栄養を補うことで、極力、毛髪内部のたんぱく質などの流出を防ぐことが出来ます。
ですので、前処理トリートメントと書くと、施術前の処理しかしていないと思われるので(もちろんそういうお店もありますが)、製品名と掛け合わせて「ナノアミノシステム」とかお店で独自に処理剤にネーミングを付けていたりします。
もちろん、そのまま前処理トリートメントと書いてあって、中間・後処理までしてくれるとこもいっぱいあります
(安くないお店なら)
前処理トリートメントはやった方がいいの?
処理剤は絶対にした方がいいのでしょうか?
答えは、「バージン毛以外の人なら、絶対にやった方がいいです。」
だって、毛髪は死んだ細胞。一度傷んだら、皮膚と違って自然治癒することはありません。
ですので、
傷んでから対処するのではなくて、傷む前に対処するのが1番大事です。
ただ、バージン毛を保護してしまうと、薬剤の浸透が悪くなって思ったようなデザインにならなかったりするので、バージン毛以外の毛髪なら必要だと思います。
美容院によっては、最初からカラー・パーマの料金に組み込まれているお店もあれば、別料金のお店もあります。
あとは、元々ベーシックな処理剤は組み込まれているけど、さらに良い処理剤を使う場合は別料金というサロンもありますよね。
処理剤は必ずやった方がいいですので、
美容院選びで料金を確認する時は、
- 処理剤がメニュー内容に元々入っているか?
- 入っていない時は、処理剤も追加するといくらになるのか?
そこまで確認した方が良いですよ。
よく「カラー2980円って書いてあったのに結局色々勧められて6000円になっちゃった(>_<)」なんて話も聞きますが、
その場合、もともと6000円のお店の方が、いろいろ勧められて6000円になっちゃうお店よりも、最終的な払う価格は同じですが、美容院の質は高いことが多いです。
だって、元値が安いお店は、とりあえず安い値段ちらつかせて集客して、お店の中でどんどん勧めて行って単価を上げるスタイル。
まぁどんなお店か想像すれば分かりますよね(;^ω^)
⇒「騙されないで!定価は高いけどクーポンで安い美容院」
⇒「大型チェーンの美容院をおすすめしない理由」
⇒「安くて上手いチェーンの美容院はあるか?」
前処理トリートメントで髪の毛サラサラ?
よく間違えられることが多いのですが、前処理トリートメントでは髪の毛はさらさらになりません!!
「えっ!?」ですよね・・・。
上記記事内容をもう一度読み返して頂けるとわかると思うのですが、「前処理剤は、ダメージを軽減させるもの」です。
カラーを普通にしたらホントはもっと傷むところを、傷みの度合いを減らせるもの。
ですので、
処理トリートメントをしても、仕上がりがサラサラになるわけではありません。
お客様によっては施術後、家でシャンプーした時に
「アレ?プラス1000円で前処理トリートメントをしたはずなのに、パーマ掛ける前よりもごわついてるなぁ。騙された!?」
と思う方がいるかもしれませんが、それでもやらないよりは、かなりのダメージ軽減になっているんです。やっていなかったらもっとごわついていたということなんです・・・。
これは、美容院側のジレンマでもあって、
僕たちは、普通に施術したらどれくらい傷むかわかるので、処理してパーマかけた毛髪を触って「よかった♪処理しながらやったからこれだけの傷みで済んだ♫」と思いますけど、お客様にはそれがわからないので「+1000円も出したのに傷んだ!!」と感じちゃいますもんね(>_<)
もちろん美容院によっては、そう思われないように、簡易な数日持つトリートメントをチャチャッと付けて、数日間の感触をよくしておくことで前処理トリートメントの効果があったというアピールをするサロンもあります。
苦肉の策ですね(;^ω^)
でも、そういうことをしないお店では、やったからと言って”手触りがよくなるわけではない”と覚えておいて下さいね。
そして、そーなると疑問が生まれますよね?
前処理トリートメントと施術後のトリートメントどっちが大事か?って・・・。
それは次回のお話ですm(__)m
◆更新しました
⇒「美容院で前処理剤と施術後のトリートメントどっちが大事?」