という噂がネット上でまことしやかに囁かれています。
果たしてこの噂は本当なのか??
検証していきます!!
と、先に結論を書くと
全て正しくありません!
ではなぜこのような噂が・・・というと「石鹸シャンプーを広めたい、石鹸業界が噂を広めている」と言われています。
詳しく解説していきます!!
ラウリル硫酸Naとラウレス硫酸Naの違いと皮膚刺激性について
ラウレス硫酸Naとよく似たラウリル硫酸Naという洗浄成分があります。
この2つは名称が似ていることから混同されやすい成分です。
ですので、どこかで読んだラウレス硫酸Naについての説明がラウリル硫酸Naのものである可能性もあるのでまずはこの2つの違いをご説明しておきます。
◆ラウレス硫酸Naが今回の記事でご案内する成分です。
ラウリル硫酸Na | ラウレス硫酸Na | |
---|---|---|
洗浄力 | 強い | 強い |
肌刺激性 | 強い | ややある |
発がん性 | ない | ない |
上の表の様に、ラウレス硫酸Naとラウリル硫酸Naの大きな違いは刺激性の違いです。
ラウリル硫酸Na
もともと存在していた洗浄成分がラウリル硫酸Na。
このラウリル硫酸Naは非常に分子の細かい成分で、毛穴の奥まで浸透しやすいために肌刺激性が強く刺激性皮膚炎などの肌トラブルの起きやすい成分です。
ラウレス硫酸Na(今回の記事の主役)
そこで、洗浄力の強さなどはそのままに毛穴に入り込まない分子量までサイズを大きくして刺激性を緩和させたのがラウレス硫酸Naです。
ラウレス硫酸Naも刺激性はありますが、それはアミノ酸系洗浄成分などの低刺激な洗浄成分と比較すればなだけで、「肌刺激が強く危険!!」というほどではないです。
発がん性について
よく噂される「発がん性」ですが、そもそも「発がん性の疑いがある」と言われているのはラウリル硫酸Naの方です。
(繰り返しますが、今回の主役はラウレス硫酸Na)
そもそもの話が、ラウリル硫酸Naは分子が細かくて毛穴の奥まで入り込むので、そこから内部に吸収されて発がんリスクになる(経皮毒)という主張ですので。
分子を大きくしたラウレス硫酸Naにはそもそも関係のない話です。
で、ラウリル硫酸Naに発がん性が実際にあるかというと、「ない」と結論付けられています。
以下、Wikipediaの内容をご確認ください。
1970年代に発癌性が指摘され厚生労働省によって精密な追試が行われたが発癌性は確認されていない。東京都立環境衛生研究所の調査でも毒性は無いとの結論に達している。また、米国化粧品工業会も化粧品原料評価を行い発癌性を否定しており、インターネットやE-mailで流布される発癌性懸念の噂は虚偽であるとのカナダ健康省や米国癌学会の見解を紹介している。さらに、2007年現在までIARCやNTPの発癌性リストに載ったことは無い。
科学的、医学的な根拠が示されていないにも関わらず、現在においても発癌性が盛んに主張される背景には、天然石鹸を販売する業者が市販の歯磨き粉や洗剤の中に含まれる危険な成分としてこの物質を紹介しているという事情がある。例えば、情報センター出版局が発行する『危険度チェックブック』には発癌性・アレルギー性のある成分と記されている。
◆出典;Wikipedia
この内容がすべてですね。
- 厚生労働省
- 東京都立環境衛生研究所
- PCPC(米国化粧品評議会)
- Health Canada(カナダ保健省)
- AACR(米国癌学会)
- IARC(国際がん研究機関)
- NTP(米国国家毒性プログラム)
これらのかなり権威的な機関で、ラウリル硫酸Naの発がん性がないことをアナウンスされているのですから、これ以上僕が言うことはありません。
繰り返しますが、ラウリル硫酸Naに発がん性はありません!
つまり、ラウレス硫酸Naにも発がん性はありません!!
発がん性のうわさはなぜ流れた!?
ではなぜそんなうわさが流れたか・・・
石鹸シャンプー業界が、石鹸を広めるために仕掛けたネガティブキャンペーンということですね。
一応、石鹸業界側のフォローも入れておくと、もともとは1970年代に「原料:ラウリル硫酸Na」に発がん性が発見されました。でもそれはラウリル硫酸Na自体に発がん性があったわけではなく、製造過程で混ざってしまった不純物によるものでした。
その後、1980年には不純物の混ざっていないラウリル硫酸Naがスタンダートになっているので、発がんリスクは消えました。
やっていることは最近のヤフーニュースに掲載される切り取り記事に似ていますね。
そしてそのネガティブキャンペーンに乗せられてしまった自然派や美魔女ブロガーの方々が、世の中の裾野まで「ウソ」を垂れ流してしまった・・・というのが「真相」ではないか、、、というのが僕の見解です。
ラウレス硫酸Naは石油由来だから危険!ヤシ油由来は安全??
ラウレス硫酸Naは石油由来で危険な成分なのでしょうか?
「ラウレス硫酸Naは石油由来」だとよく言われていますよね?
そして、メーカーさんによっては「当社のラウレス硫酸Naはヤシ油由来だから安全です」と宣伝している場合もあります。
この辺の話を整理しておきますね。
まず結論!!
ラウレス硫酸Naは2019年現在、ほぼほぼ「ヤシ油由来」で出来ています。
そうなると先ほどの発がん性の話ではないですが、不純物を取り除くのに手間がかかるのでコストが上がります。
その点ヤシ油から抽出する場合は、手間が少なくなるのでコストも安くなるんですね。
ですので、わざわざ「評判も悪く、コストも高い石油由来のラウレス硫酸Na」を配合するメーカーはほとんどなく、「コストの安いヤシ油由来のラウレス硫酸Na」を利用するメーカーがほとんど。
とこの話は、付き合いのある化粧品製造のシェアを結構持っている「原料メーカー兼製造メーカー」の会社の社長さんから直接伺った話です。
原料も卸しているメーカーさんですからね、
そこの社長さんが言っているのだから間違いないでしょう!
石油由来だと危険??
そもそも「石油由来だから危険」ということはありません。
不純物は取り除かれていますからね。
泥水から抽出した水(H2O)と、湧き水から抽出した水(H2O)は、H2Oになっている時点で、全く同じ「水」ですよね?
ラウレス硫酸Naも、石油由来でもヤシ油由来でも「不純物なく抽出されている」時点で、どちらも同じラウレス硫酸Naですので、「石油由来だから危険!!」ということはありません。
ラウレス硫酸Naのデメリットは洗浄力の強さだけ!?
ここまで読むと・・・
ラウレス硫酸Naは発がん性もないし、ヤシ油由来だけど、そもそも洗浄力の強い洗浄成分です。
ですので、ラウレス硫酸Naがメイン洗浄成分のシャンプーを利用してもいい人は、
- カラーやパーマをしていない健康毛で、スタイリング剤を付けていたり、皮脂分泌が多い人
です。
カラーやパーマをしているダメージ毛には負担になりますし、そもそも
- カラーの褪色を早める
- パーマの持ちが悪くなる
などの悪影響も出てきます。
さらに、乾燥頭皮の方だと、わずかな皮脂も根こそぎ除去してしまうので、乾燥状態がより悪化して、結果としてかゆみなどの頭皮トラブルが起きないとも限りません。
その点を考慮すると、当ブログの成分解析では「発がん性など危険な成分」、という理由ではなく「洗浄力が強いから」という理由で、メインの洗浄成分がラウレス硫酸Naのシャンプーはあまりお勧めしていません。
ラウレス硫酸Naが配合されたシャンプーは結構あるの??
一昔前の市販シャンプーは、ほとんどがラウレス硫酸Naベースのシャンプーでした。
が、2019年現在はほとんどのメーカーで利用していません。
「本当に危険だから」ではなく、どのメーカーも風評被害を恐れていますからね。
最近の市販シャンプーは、風評被害を避けて「ラウレス硫酸Na」の代わりに、ほとんど同じ特徴を持つ「オレフィン(c14-16)スルホン酸na」を配合していることが多いです。
「風評被害を恐れて似た性質の洗浄成分に鞍替えした」という感じです。
でも、オレフィン(c14-16)スルホン酸naの方が原料コストが上がるので、最近の市販シャンプーは一昔前よりちょっと高くなった??
ということで、
最近の市販シャンプーが一昔前より高価格なのは「質が良くなったから」というよりは、コストの安い本当は安全な成分が風評被害で配合しづらくなったので、同じ特徴を持つコストの高い成分を配合せざる得なくなったから・・・と考えると、
「ウソのうわさって本当に罪ですよね」
シリコンだって世の中の噂とは裏腹に超安全素材ですよ!
おそらくオーガニックオイルよりも安全です。
無添加とか意味不明だし・・・
ボタニカルなんてだから何??ってレベルだし・・・
皆さん!!言葉のマジックにはまだされずに「本当に良いものをご利用くださいね!!」
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