度々出てくるこのフレーズ↓↓
おしゃれな雰囲気で定価は高い美容院、でもクーポン使って地域の平均価格になるサロン
「これってどんな美容院!?」ってことを解説したいと思います。
ちなみに「あぁ、うちの地域じゃあの美容院の事かな」って想像つきますか?
割りと新しめで、お店もスタッフの雰囲気もおしゃれな感じで定価を見ると高い美容院。
でも、「ご新規様〇〇%off」「既存のお客様もなんだかんだサービスが効いてご新規価格より少し高いくらい。」で、結局その価格が、その地域の平均的な価格になる美容院。
※平均価格はこちらから
→各地域の美容院の平均価格をまとめてみました
何となく想像つきましたか?
まずは結論を言うと、こういうタイプの美容院(以下”高級風美容院”と記載)ってのはボチボチおすすめなんです。
書き方が難しくて、「高級に見せて実は平均」なんて書くから悪口に聞こえそうですが、そうではないんです。
こだわりのある高価格帯のサロン程ではなくても、結構いい感じにやってくれることもある”このタイプの美容院”は2種類に分かれます。
- すごいこだわってやりたいという思いはあるが、経営の為には価格を抑えてお客様に多く来ていただく道を選んだお店(他店競合が激しく価格を下げざるを得なかったサロン)
- もともと、”高級に見せた安売り店”で働いていた人が独立して、いざ「お店をやろう」って時に、「個人店になったからには価格競争で大型チェーン店に太刀打ちできないし、さすがにあんなに安いと体も厳しいし、それならちょっと価格を地域の平均まで押し上げてお客様にいい技術を提供していこう!!」
という2種類のサロンに分けれます。
こういうサロンは結構講習会に参加したり勉強会頻繁にやったりと技術レベルも結構高いところも多いんです。
ただ、この高級風美容院にも弱点があります。
以前の記事「高い美容院と安い美容院の違い」でも書きましたが、「タイムコストの問題」があります。
高級なこだわりサロンよりも単価が安いわけですので、その分お客様一人にかける時間は短くなります。ということは、仮に技術レベルが高くても時間との戦いになりますので、こだわりサロンよりは技術の低下が起きやすいんですよね。
そしてアシスタントの子もフル活用でヘルプに入って貰うので、カラーとか縮毛矯正の作業を、「まだ未熟な子に担当されて嫌な気分になった」ってことも起こりますよね(>_<)
でもね、そうでもしないと潰れてしまうんですよ。
「美容院の適正価格=1時間のタイムコスト」は地域や立地によって違うと思いますが、ほとんどのお店はギリギリの価格でやっています。
美容師の平成25年の平均年収は280万円。
(もちろんアシスタントの子がおそらく総額で月15万前後ですからそれでより平均が下がっているとは思いますが)
月額30万以上もらっている美容師はかなり少ないのではないでしょうか?
(もちろん一部の美容師は高給取りではありますが。)
この給与見れば、「お店を維持するのにギリギリの売り上げのサロンが多いんだろうな」ということはお分かり頂けると思います。
一部、「美容院はオーナーが一人で給与取りすぎて、従業員の給与が少ない」という指摘があります。
それは、おそらく一昔前に「美容専門誌の調査でオーナーの給与が異常に多い実態が指摘されたことがある」ので、これがソースとなって広まった話だと思いますが、それは古い時代のオーナーのお店ですね。
僕も30代半ば、周りの仲間で独立している方々も似たような年齢ですが、共通しているのは、そういう古いオーナーの体質に嫌気がさして独立したってこと。
ですので、給与面等もみんなだいぶ考慮するようになってきています。「自分が味わった嫌な思いはさせたくない。そんなブラックじゃ従業員はついてこない」と・・・。
でも、それでも渡せる給与はそんなに高くありません。
何が言いたいかというと、安いお店ほど疲弊しているということです。
安いお店は、わんさかお客様はいらっしゃるし歩合のとこが多いので、上記平均年収よりも高い給与もらってるのは安い繁盛しているお店ってことが多いです。(一部の高級サロンを除けば)
でも、そんな営業形態で一生働けるわけがないってほどの重労働です。(どブラックですw)
僕の知り合いの大型チェーン店で働いている子は
●AM10時~PM10時くらいの勤務
(ホントは20時までだけどお客さん来ちゃうから帰れない(-_-;))
●その間、飲食の時間や休憩は基本なし。
カラー作ってる時に、消毒室に置いておいたパンや飲み物を「ちょっとつまむ程度」
(休憩は規定ではあるけどお客様ひっきりなしで休めないってことです)
●PM10時に終わったら掃除・ミーティング・勉強会。
●終電に間に合うように帰り、夕飯?深夜食はコンビニ弁当軽めに食べて・・・。
就寝・・・zzz
●休みは毎週決まった曜日+月に2日。
(幸いここは「有給は法定通り」はあるのですが)
●自分が休みの日でも自分指名のお客様が、フリーで入ってたら休み返上でやりに来ちゃう。
これでもろもろ引かれずに給与は歩合で20万円~25万円ですよ。(-_-;)
(他業種でもっと厳しい労働環境の方もいるかと思いますが)
まぁ疲弊している子が多いですよね。
その結果、美容師になって10年以内に9割は美容業界から足を洗っているというブラック業界ですので。
こういう状況の美容業界で、満足いく技術、接客ができる美容院/美容師ってのは少ないと思います。(僕はそうでありたいと思ってはいますが)
満足いく美容院/美容師に出会うためには、「そこで働いている美容師が幸せか」ってことが重要になってくると思うんです。
「ずっとこのお店で働きたい」って美容師が多くいればいるほど、そのお店は活性化して「良い技術」「良い接客」を自然と提供できるようになるんだと思うんですよね。
そういう美容院が薄利多売の美容院であるわけがないんですよ。
薄利多売のサロン勤務の
●野望がある美容師は、「独立してやる」「ここはお金を稼ぐため」って思ってるし
●野望がない人なら「あーきつい・・・。やめたい・・・。美容業界から足洗お」って・・・。
そういう美容院に美容院ジプシーの方が行かれて満足されるとは思えません。
どこ行けば良い美容院/うまい美容師に出会えるの?
って聞かれれば、やはり少し高めの美容院になってしまうと思うんですよね。
言い方を変えれば、巷にあふれかえっている美容院/美容師への不満。
あれって適正価格ではないお店で施術しているからってこともあるんですよ。
おそらく
「お客様が思う適正価格」と「お客様が望む接客/技術のレベル」
これが美容師の立場から見た時にイコールになっていないので、多くのクレームが生まれているんだと思います。
ファミレスでパスタ食べたとき「チョーおいしい」訳じゃなくても、まあまあおいしければ「こんなに安いし十分だよね」って思いますよね?
美容院の場合は、【安さ】と【技術レベルの期待値】がイコールになっていない方が多いんだと思います。これこそ高級そうに見せて実は安売り美容院が作り出した弊害。
おしゃれな雰囲気で定価も高いから、実際はクーポンで安いけどついつい期待してしまいますよね。
昔あった「安売り美容院」思い出してください。
サロンも働いているスタッフの雰囲気も安い美容院感がプンプンでしたよね?
で、最近のクーポンで安売りになる「おしゃれサロン」って、サロンの雰囲気と働いているスタッフの見てくれが昔の安売りサロンと違うだけで、結果施術料金は同じでしょ?
そういうことです。定価が高くてもお店の見た目がおしゃれでも、クーポン使って安いお店と同じ価格になるならそこは安売り美容院なんです。技術レベルもそれくらいなんです。
ということは、雰囲気がおしゃれだからって上がっている期待値を、もっとうんと下げなくてはいけませんよ。
ですので、「どこに行っても満足できない」って美容院ジプシーの方はちょっと高めのお店挑戦してみませんか?
すべての高いお店ではないですよ。
昔からやってるお店は「高い価格のまま」年配の固定客ができていますので、競争激化の今でも、安くしなくてもその固定客でやっていけているだけかもしれませんからね。
そんなに古くなくて(ここ10年以内とか)「見た目もいい感じで、ちゃんと高いお店」ってのが「こだわっている美容院で、こだわっている美容師がいると思いますよ。」
ただ、難しいのはこれも全てではないんですよね(>_<)
この話、詳しくはこちらをどうぞ。
→高い美容院でも下手な美容師がいる理由
だいぶ本題からそれましたが(-_-;) 高級風美容院の話に戻りますね。
●美容院ジプシーの方には高めのこだわり美容院がおすすめ!!
●美容院ジプシーではないけど、そろそろ美容院変えてみようかなって人には高級風美容院ってのは割とおすすめかなぁ・・・。
コメント