ヘアカラートリートメントは染料として「パラフェニレンジアミン(PPD)が配合されていないので安心♪」とよく言われていますよね。
というか僕も基本的にはそう思っているのですが、、、。
通常のカラー剤でアレルギーを起こす人の多くは、カラー剤に配合される染料「ジアミン」が原因です。
ですのでカラー剤にアレルギーを起こした人には、染料としてジアミンが配合されていないものをおすすめするのですが、その場合に候補になる製品の一つがヘアカラートリートメントになります。
でも、調べていくと「ヘアカラートリートメントだから絶対に安全か」と言われれば、「そういうわけではない」みたいです。
というのが今回の話です。
※今回は染料に注目した記事です。
※この記事は「HC・塩基性染料を批判したい」という記事ではありません。ですが、まれにではあっても以下のようなリスクがある。それはご理解されておいた方がいいかな、、、と思い記事にしております。
◆「カラートリートメント(白髪染め)のおすすめは?実験口コミレビュー♪1回目」
◆「美容師が徹底検証!ヘアカラートリートメントおすすめランキング」
塩基性染料・HC染料にはジアミンと同程度以上のアレルギーリスクがある?
ある時、ある成分(染料)について調べているときに、HC染料と塩基性染料の中には、パラフェニレンジアミン(PPD)と同程度、あるいはそれ以上の感作能のある成分もあるという報告を発見してしまったんです|д゚)
それは、東京都健康安全研究センター(http://www.tokyo-eiken.go.jp/)というセンターからの報告でした↓↓
染毛用色素として使用される色素の中には,強いアレルギー性を持つことで知られるp-フェニレンジアミン(PPD)と同程度以上の感作能を有するものもあることが報告されており、今回検討した色素では2ANP,4ANP,BB99,BB17,HB2,HR3,HY2,HY4及びHY5はPPDより強い感作能を有するとされている。
現在のところ,我が国ではこれらの新規染毛用色素の危害事例はほとんど報告されていないが,欧米では数種の染毛用色素について,アレルギーの症例が報告されている。
今後これらの新規染毛用色素を配合した染毛料の使用量は更に増加することが想定されることから,その安全性には十分留意する必要があると考える.
東京都健康安全研究センターの報告より(http://www.tokyo-eiken.go.jp/)
今はまだ日本では、使用者数・使用回数が少ないからアレルギーの報告がないだけで、もっと多く利用されるようになると報告が出てくるのかもしれませんね。
花粉症のように使い続けていくことで発症するという人も出てくるでしょうし。
「パラフェニレンジアミン(PPD)を避けるためにカラートリートメントを使用しているのに、パラフェニレンジアミン(PPD)よりも感作性の高い(アレルギーを発症するリスクが高い)染料が入っているかもしれない」ってことですからね・・・。
今は大丈夫でも、パラフェニレンジアミン(PPD)のアレルギーを突然発症したように、何かしらの染料のアレルギーを突然発症する可能性があるんです・・・。
※これは言ってもごく一部の話であるということをご理解ください。ヘアカラーのジアミンアレルギーだって多くの人には問題ありませんよね?それと同じくらいのリスクですが、「アレルギーの可能性がある」ということは知っておいた方がいいと思い記事にしています。
ちょっとこの資料では、化粧品表示で記載される染料名ではないのでわかりづらいですね。ここで注意喚起されている染料を化粧品表示名で以下書き直しています。
感作能を有するHC・塩基性染料一覧
- BB99・・・塩基性青99
- BB17・・・塩基性茶17
- HB2・・・HC青2
- HR3・・・HC赤3
- HY2・・・HC黄2
- HY4・・・HC黄4
- HY5・・・HC黄5
他にもあるのかもしれませんが、東京都健康安全研究センターの報告書では上記です。
この報告のように、日本ではこれらの色素の危害事例はまだほとんどないようです。しかし、30~40年前から使用している欧米ではアレルギーの症例が出ているようです。
※今現在カラートリートメントを問題なく使用している人でも、高い感作能を有するということは、今後突然アレルギーを発症することがありますのでご注意くださいね。
※感作はしていても、アレルギー症状が起きないこともあります。
感作性の高いHC・塩基性染料の配合されているカラートリートメントは?
こうなってくると、もともとアレルギー体質の人は、
- 「どれならより安全なカラートリートメントなの?」
- 「今後長く利用できそうなカラートリートメントはどれ?」
ということになりますよね。
ということで以下では各カラートリートメントの染料に上記成分が配合されているかどうかを見ていきます。
赤で塗られている成分が上記記載の成分です。
利尻ヘアカラートリートメントの染料
4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール,HC青2,HC黄4,塩基性青99,塩基性茶16,塩基性赤76,塩基性黄57
※7染料中3つが、p-フェニレンジアミン(PPD)と同程度以上の感作能を有する。
ルプルプヘアカラートリートメントの染料
4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、塩基性青99、塩基性赤76、塩基性茶16、HC青2、HC黄2、HC黄4
※7染料中4つが、p-フェニレンジアミン(PPD)と同程度以上の感作能を有する。
POLAグローイングショットカラートリートメントの染料
塩基性青99、HC赤3、HC黄2、HC青2
※4つの染料すべてが、p-フェニレンジアミン(PPD)と同程度以上の感作能を有する。
レフィーネ ナチュラルカラートリートメントの染料
HC黄2、HC黄4、HC青2、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、塩基性青99、塩基性赤76
※6染料中4つが、p-フェニレンジアミン(PPD)と同程度以上の感作能を有する。
レフィーネ ヘッドスパトリートメントカラーの染料
HC青2、塩基性青99、HC黄4、塩基性赤76、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール
※5染料中3つが、p-フェニレンジアミン(PPD)と同程度以上の感作能を有する。
DHC Q10クイックカラートリートメントの染料
HC黄4、HC黄2、HC青2、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、塩基性青99、塩基性赤76、塩基性茶16
※7染料中4つが、p-フェニレンジアミン(PPD)と同程度以上の感作能を有する。
ラサーナヘアカラートリートメントの染料
4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、HC青2、HC黄2、HC黄4、塩基性青99、塩基性赤76、塩基性茶16
※7染料中3つが、p-フェニレンジアミン(PPD)と同程度以上の感作能を有する。
資生堂プリオールカラーコンディショナーの染料
赤227,橙205,紫401,黒401,黄4
※5染料中一つもp-フェニレンジアミン(PPD)と同程度以上の感作能を有するは配合されていない。
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という感じで、カラートリートメントの多くは高い感作能を有している染料が利用されています。
その中で異色なのが、資生堂のプリオール・・・。
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HC・塩基性染料の配合されていない資生堂プリオールカラーコンディショナーって?
詳しい話は、そのうち資生堂プリオールカラーコンディショナーを成分解析するときに記事にしますが、こちらの製品はHC染料・塩基性染料の代わりに酸性染料というものが配合されています。
※酸性染料はヘアマニキュアでメインで利用される染料です。
通常は酸性染料は、リンス・コンディショナー・トリートメントのほとんどに配合されているカチオン界面活性剤と相性が悪いのですが(染料が染まらなくなる)、さすがの??大手の技術力?でそれを可能にした製品のようです。
細かい話は置いておいて、色素に詳しい人からしたら「プリオールは酸性染料だからトリートメントに入れちゃったら全然染まらないんじゃないの?そして手についたら取れないんじゃないの?」と思いますよね?
これが不思議なんですが、僕が実際に実験した感じだと、手についた染料もしっかり石鹸で洗えば落ちちゃうし、毛髪にもそれなりに染色されるんですよね|д゚)
※ただ、染色力をメインで考えれば、良く染まるカラートリートメントと比べれば弱いです・・・これが弱点ではあるのですが(;^ω^)
しかし、資生堂はHC染料や塩基性染料の欧米での感作能のことを知っていて、独自に酸性染料を利用したカラートリートメントの開発をしていたんですかね・・・??
それともHCや塩基性染料よりも酸性染料の方が安く作れるとか??
そう!!プリオールは安い!!
- レフィーネ300g 3024円
- スカルプD ボーテ ヘアカラー トリートメント200g 3024円
- DHC Q10クイックカラートリートメント235g 2883円
- ルプルプヘアカラートリートメント200g 3240円
- 利尻ヘアカラートリートメント200g 3240円
-
ラサーナヘアカラートリートメント180g 3024円
- プリオールカラーコンディショナー230g 1382円
・・・
軒並み3000円前後する中で・・・ほぼ同じ容量で1382円て・・・
安すぎだと思いませんか??
しかも・・・
※ ただいま、送料無料キャンペーン中につき、1品からでも送料無料でお届けします。
だそうです・・・。(上記は資生堂の公式サイト「ワタシプラス」から購入の場合の話です↓↓)
資生堂の公式サイト「ワタシプラス」
ただ、、、
もともとプリオールに利用されるカラー色素は、本来頭皮につかないように利用する色素ですので、そもそも皮膚刺激性の報告がないだけのような気もします。報告がないのと安全かというのは話は別です。報告自体がないので安全なのか危険なのか自体わかりませんm(_ _)m
まとめ
最初に書きましたが、僕はHC・塩基性染料を利用しているカラートリートメントを否定する気はありません。アレルギーの問題さえなければ、毛髪ダメージもありませんし良いものだと思います。
ただ、何度か使用していて全く問題がなくても、花粉症のように突然アレルギーを発症することがありますので、毎回使用する際は、その可能性も留意しながら使用されるといいと思います。(頭皮への違和感を感じたらその日はすぐに使用を中止してくださいね)
今回は、多くのカラーアレルギーの原因染料「ジアミン」と同程度以上の感作能を有している染料についての注意喚起ということで記事にさせていただきました。
※そもそもですが、、、リンス・コンディショナー・トリートメントのほとんどに配合されるカチオン界面活性剤に敏感な方がいます。過去にこれらでかゆみ・かぶれ・炎症などが出たことがある人は、カラーコンディショナー・カラートリートメントにもカチオン界面活性剤が配合されていますので、使用することはできません。
※今回に限った話ではありませんが、世の中の多くの製品で「安全です」と言われているものは、過去にアレルギーで重篤な症状を起こした人がいないからという理由だったりします。
しかし、そもそも論ですが・・・新成分なんかは、使用した人のパイが足りないので、当然今までにアレルギーを発症した例が少ないです。
この場合、これらの新成分が長い間利用されていく中で、だんだんと本当に安全なのか?そもそも利用者の数が少なかっただけなのかがはっきりすると思います。
ですので、「今までアレルギーの報告がないような成分で作りました」的なニュアンスがあった時に、それは「安全な成分だ」と認識できるものではないことが結構あると思いますので、ご注意くださいね。
敏感肌、アレルギー体質の人は、頑張ってる風な中小のオーガニックメーカーの商品を利用せずに大手の商品を利用した方が「安全面でのリスク」は低くなると思います。
だって、大手は何か問題があったらその時のダメージもでかいですので、成分選びには慎重です。
成分として機能性に優れているものを選ぶよりは(毛髪補修成分とか)、多くの人が利用した結果、安全性が高いとわかっている成分からチョイスする傾向が大手にはあると思います。
と大きく最後は余談にそれましたが、、、とりあえず、敏感肌・アレルギー体質の人ほど大手の製品を使用するのが安全だと思います。(何かあった時の対応もよくしてくれそうですしね)
◆「美容師が徹底検証!ヘアカラートリートメントおすすめランキング」