今回は興味がない人には、ほんとどうでもいい話(笑)
4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールというヘアカラートリートメントの色素の一つとしてよく配合されている染料についての話です。
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この記事に興味がない人は、こちらをどうぞm(_ _)m
◆各種カラートリートメントの毛髪実験始めました。
⇒「カラートリートメント(白髪染め)のおすすめは?実験口コミレビュー♪1回目」
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4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールは、ネットを見ると
●酸化染料の誘導体で、普通のカラー剤の染料であるジアミンなどよりも安全で天然染料よりも刺激がある
●基本的にはそんなに問題視する成分じゃないけど、カラーアレルギーの大きな原因の一つであるジアミンの誘導体(構造が似ている)だからジアミンほどのアレルギー性はないけど、注意が必要な成分です
くらいのフワッとしたことしか書かれていません。何色の染料なのかすらほぼ説明されていないんですよね(>_<)
通常、カラートリートメントは塩基性染料とHC染料で出来ていて、塩基性青99とかHC青2みたいにパッと見て塩基性・HC染料とわかるような表示なんです。(色味も何となくわかりますよね)
そんな中、「4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールって何者??」
仮にネットで多く書かれている上記の内容が本当なら、なぜほとんどのカラートリートメントに配合されているのか?
その理由は??
そもそも、検索上位に出てくる4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールの情報はほとんど同じ内容なので、元々の情報源があってそのコピペだろうなぁと思います。或いは同一人物が似たサイトを量産しているか?
いずれにせよ元の情報源がわからないので、そもそもこの情報は信用できるのか??
などなど僕の中で多くの疑問がある色素なんです。(もともとこの色素を知りませんでしたので(/ω\))
んで、僕なりにいろいろ調べて(海外の原料メーカーのサイトなども含め)、なんとなく仮説などを立ててみました。
最後に僕なりの結論を書いていますが正直正しいかはわかりません(>_<)
ですので、記事にするようなものでもないかもしれませんが、結構時間かけて調べたので、その忘備録もかねて徒然なく綴っておこうと思います<m(__)m>
4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールについてすごい詳しい人がいたらぜひこの染料について教えてください<m(__)m>
では、前置きが長くなりましたが、以下僕が調べた4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールについての情報です<m(__)m>
※4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールについて説明しているサイトはかなり調べましたが、これから書いていく情報に触れているサイトは見たことがありません。(大体先ほど書いたようなフワッとした内容です)
ですので、今後、仮にほかの記事で同じ情報に触れていたり、記事の最後に書いている僕の結論と同じことが書かれているサイトがあったら、情報源はこのサイトなのかな??と思います。
結構時間かけて調べたので、キュレーションサイトのコピペ騒動のようなこともありましたし、コピペされた上に、さぞ自分が調べたように書かれるのもシャクなので、ちょっとこのようなことを書かせていただきました(笑)
4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールはHC染料?
まずは、「4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールが何者なのか?」をいろいろ調べました。
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まずはフランスのSensient Cosmeticという原料メーカー?のサイト(http://www.sensient-cosmetics.com/pageLibre00010599.aspx)
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赤枠が4ヒドロキシプロピルアミノ―3ニトロフェノールについての部分です。商品名「Rouge W 3127(ルージュ)」と色見本を見る限り、赤系のブラウンだということがわかりますね。(色味はPCやスマホによって若干の違いがあるかと思います)
さらに、表の上に
– Nitro dyes
– Non-ionic character
– Poor water solubility
– small molecules
– Intense highlights
と記載されていますが、これは、ニトロ染料で、非イオン性で、難水溶性で、分子が小さくて、鮮やかな色味的なことですので、ほぼHC染料と同じ特徴を持っています。
まあ表を見ていただくとわかるように、一覧の他の色素は、HCと書かれているものが並んでいますので、同じ仲間ということですね。
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もう一つのサイトを見るとさらにわかると思います↓↓
やはりHC染料のグループに入っているようです。
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で、最後の決定打がこちら(http://www.ekouhou.net/%E6%9F%93%E6%AF%9B%E6%96%99/disp-A,2012-246284.html)
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このサイトは、各種特許についてまとめているサイトのようです。
HC染料・塩基性染料の中からチョイスされた染料で研究をしたということなのですが、その中に4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールが入っています。
塩基性染料は陽イオン性の染料で、HC染料は非イオン染料です。すでに4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールは、非イオン性ということはわかっています。
ということはHC染料ということですね。
ちょっと仮説
上記のことをベースにさらにいろいろ調べたのですが、
例えば、上記原料メーカーのサイトの説明で「鮮やかさや深みを出すための染料」と説明されています。
そして、さらに「海外のカラー剤」の成分などを見ていると白髪染めカラー剤の中に4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールは結構配合されていることがわかりました。
それらのことを踏まえて、「ヘアカラートリートメントに4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールが配合されている理由」を考えてみました。
- 色味に深みを出して白髪がよりカバーされやすくするために配合されている?
- 褪色した時に、緑っぽくなることがあるので、それを防ぐためにもこの深みのあるレッドブラウン色である4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールが配合されているのかな?(赤は緑を打ち消す色です)
4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールの安全性は?
安全性について、「アレルギーのある酸化染料の誘導体だから注意が必要」的なことを書いているサイトが結構ありますが、事実なのかどうか?
調べてみました。
まずは、アメリカのCosmeticsinfo.orgというサイトからです。
調べるとこのサイトは、化粧品やパーソナルケア製品やそれらに使用されている成分について、消費者が安全かどうかなどを調べられるように、情報を提供しているウェブサイトのようです。このサイトの作成にはパーソナルケア製品評議会という団体?が後援として携わっています。
このパーソナルケア製品評議会という団体は、1894年に設立され、アメリカで販売されている化粧品やパーソナルケア製品の大半を製造、流通、供給する600社以上の会員企業で構成されている評議会のようです。
ですので、かなり信ぴょう性があるかと思われます。
と前置きが長くなりました、、こちらのサイトにはこのようなことが書かれています(http://www.cosmeticsinfo.org/ingredient/4-hydroxypropylamino-3-nitrophenol)↓↓
赤線を引いたところですが、上の赤線には
●4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールはヘアカラー染料として安全です。
というようなことが書かれていて、下の赤線には
●4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールはヨーロッパでヘアカラー染料として使用できる
ということが書かれています。
で、赤線で引かれていませんが上記画像の中には「アミノニトロフェノール系の色素は、皮膚や眼への刺激性はないが、アミノニトロフェノール染料のいくつかは感作性を有している」というようなことも書かれています。
つまりアミノニトロフェノール染料のいくつかにアレルギーリスクがあるということです。
ここでわかることは、安全性とは「発がんリスクがない」とか「環境ホルモンじゃない」とかそういう意味での安全性で、それとアレルギー性とは別で、アミノニトロフェノール系のいくつかにはアレルギー性はあるという事ですね。
そうなると、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールにアレルギーがあるのか?ということが気になりますよね。
その答えとして、こんなものも見つけました(http://ci.nii.ac.jp/naid/40020682408)↓↓
「ヘアカラートリートメントの成分である4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールによるアレルギー性接触皮膚炎の1例」と書かれています。
この内容を見ることはできなかったのですが、タイトルでもうわかりますよね。アレルギー性はあるようです。
※アレルギーがあると言ってもごくわずかな人にだと思います。
結論
いかがでしたか?
上記の内容を踏まえて以下僕の結論です。
間違えていたらすいません(;^ω^)
あくまでも僕が考えた結論ですので<m(__)m>
4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールは
- レッドブラウン系の色
- ヘアカラートリートメントに深みを出す(白髪がよりカバーされやすくする)ために配合されている
- ヘアカラートリートメント後に、普通のカラーやパーマをして、カラートリートメントの色味が褪色した時にまれに毛髪が緑っぽくなることが過去には報告されていますが、それを解消するために、深みのあるレッドブラウン色である4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールを配合している。
- HC染料の仲間
- 発がん性や環境ホルモンのような健康被害に対しては安全
- 感作性はある(ごくまれにアレルギーを起こす人がいる)
こんなところでしょうか?
つまりリスクとしては、ごくまれにですが感作性がある(アレルギーリスクがある)ということですね。
ただ、これはほぼすべてのカラー色素で言えることだと思います。
通常、「カラーにアレルギーがある」と言う場合、多くはジアミン色素へのアレルギーです。
で、HC染料や塩基聖性染料も多くのサイトで安全な染料と言われていますが、以前僕の記事で紹介しているように、日本では歴史が浅いので、アレルギーを発症しているケースがないだけで古くからHC染料などが使われている欧州では色素によってはジアミン系の色素よりも感作性の強いものがあると報告されています。⇒「ヘアカラートリートメントのHC・塩基性染料はアレルギーがなく安全?」
というよなことを考えれば、多くのカラー色素には感作性があるのだと思います。
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◆前提としてですが、そもそもカラーアレルギーの人はほとんどいません。通常のカラー剤でアレルギーを発症するケースが増えて消費者センターが注意喚起したこともありますが、それでも多くの人にはアレルギーは起きていません。僕の美容院でも過去にカラーアレルギーだった人は数えるほどです。(僕のサロンでカラーをして重篤なアレルギー症状を起こした人は一人もいません。)
アレルギー、アレルギーと書いていると、誰でもいつかアレルギー症状を起こしていしますのではないかと心配になるかもしれませんが、「そもそもの前提として、カラーアレルギーを起こす人はあまりいません。」
もちろん重篤なアレルギーを起こす人がまれにであれいらっしゃいますので、注意するに越したことはありませんが。
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で、話は戻りますが、逆に4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールがジアミン系よりも感作性が強いという情報は見たことがないので、カラーによるアレルギーリスクの中では、特別強い方ではないのかなと思っています。
今現在日本では古くからジアミン系の色素が多く使われているので、ジアミンに対するアレルギーの情報が多いだけで、これからそれ以外の染料が脚光を浴びれば浴びるほど、その色素を使用するπが増えて、そうするとアレルギー症状を起こす人が比例して増えていき・・・。
という流れなのだと思います。
ただ、多くの塩基性染料・HC性染料(4-ヒドロキシプロピルアミノー3-ニトロフェノールを含む)は、安全性は評価されていますので、今現在、それらの配合されている染料でアレルギー症状が起きていないのであれば、安心して使用していい染料ではないかなと思います。
花粉症を発症するときのたとえ話で、「水瓶に花粉が蓄積されていって、その水瓶から溢れると花粉症が発症する」というよなことが言われていますが、カラーもそのような話ですので、今は大丈夫でも、ある日突然発症することもあります。
ですので、使用時に、いつもと違う違和感を頭皮に感じた場合は速やかにヘアカラートリートメントは流してくださいね。
※天然色素でも同じようなことが言えると思います。
PS:僕のただの仮説・忘備録をここまで読んでいただきありがとうございました<m(__)m>
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