HC染料・塩基性染料・酸性染料・酸化染料の違いを知って塩基性カラーを理解しよう!

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ヘアカラートリートメント(塩基性カラー)を理解するにはヘアカラートリートメントの染料についてご理解いただくとわかりやすくなると思います。

そこで今回は、ヘアカラートリートメントによく利用される「HC染料・塩基性染料」についての解説と、通常のヘアカラーの「酸化染料」や、ヘアマニキュアの「酸性染料」との違いについて説明していきますね。

 

塩基性カラーとは、ヘアカラートリートメントのことです。

 

◆「細かい話はどうでもいい!!おすすめのヘアカラートリートメントを教えて!!」という方はこちらをご確認ください。⇒「美容師が徹底検証!ヘアカラートリートメントおすすめランキング」

 

◆ヘアカラートリートメントについてはこちらもご確認ください。
 「ヘアカラートリートメントはおすすめか?美容師の解析。でもその前に・・・」 

 

 



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目次

ヘアカラー剤別の染料の違い

HC染料・塩基性染料・酸性染料・酸化染料の違いとは?

 

ヘアカラー剤は、大きく分けて

  • 「医薬部外品の永久染毛剤」
  • 「化粧品の半永久染毛剤」

に分類できます。

 

永久染毛剤とは、ジアミンという酸化染料などが配合されている皆さんが一番想像しやすい普通のカラー剤のことです。

 

それに対して半永久染毛剤とは、「ヘアマニキュア」や「ヘアカラートリートメント(塩基性カラー)」のことです。これらは脱色力を待たず毛髪表面に吸着して発色します。

 

ヘアマニキュアの染料は、酸性染料が主体になっています。(赤2・紫401などと記載されています)

 

ヘアカラートリートメントの染料は、塩基性染料をメインにHC染料も組み合わされています。(塩基性染料は「塩基性青99」など、HC染料は「HC黄5」等のように記載されます。)

 

※HC染料は、ヘアマニキュアにも補助的に混ざっていることもあります。

 

 

 

つまりヘアカラー剤の染料の種類は

  • 酸化染料(一般的なカラー剤)
  • 酸性染料(ヘアマニキュア)
  • 塩基性染料(ヘアカラートリートメント)
  • HC染料(ヘアカラートリートメント・ヘアマニキュア)

となります。

 

 

※ヘナなどの天然色素などもありますがここでは割愛します。

「ヘナの白髪染めの効果は?」

 

それぞれの染まり方や特徴

次にそれぞれの染まり方や特徴についてまとめていきます。

と、その前にこちらも一緒に確認しておいてください↓↓

酸化染料・酸性染料・塩基性染料・HC染料の違い

これを見るとなんとなく染料の大きさの比較ができます♪

以下で書いていく「酸化染料は小さいので毛髪内部に浸透しやすくて、酸性染料と塩基性染料は大きいので毛髪内部に浸透できず表面に吸着する」ということがなんとなくわかりますね♪

 

酸化染料

普通のカラーで使われるジアミンなどの酸化染料は、酸性染料や塩基性染料に比べて小さい構造のため、毛髪内部に浸透しやすいです。さらに、化学反応を起こすことで毛髪内部で発色&分子同士がくっついて大きくなるので毛髪内部で留まってくれます。

 

※酸化染料は、そのままでは発色せず、2剤と混ぜた結果、重合(分子同士がくっついて)して発色します。

 

●「髪が染まる仕組み」

 

酸性染料

ヘアマニキュアで利用する酸性染料は、分子が大きいため酸化染料のように毛髪内部に浸透せず、化学反応も起こしません。酸性染料の染着の場所は毛髪の表面付近ですので、内部で発色する酸化染料と比べて持ちはよくありません。

マイナスの電荷をもっていて毛髪のプラス部分に吸着します。

 

※最初から発色しているので、カラー剤自体の色がそのまま毛髪につくイメージです。 

 

◆皮膚につくとなかなか取れません。

◆カラートリートメントとしての利用は、性質上難しいのであまり配合されていることはありません。知る限り唯一カラートリートメントに利用しているのは資生堂のプリオールカラーコンディショナーです。
「資生堂プリオールカラーコンディショナーの成分解析と口コミレビュー」

 

塩基性染料

ヘアカラートリートメントでよく利用される塩基性染料とは、2001年の国の規制緩和で使用できるようになった新規染料です。

ヘアカラートリートメントは塩基性染料の割合が非常に高いために、塩基性カラーと呼ばれることもあります。

塩基性染料も、酸性染料と同じ様に分子が大きく、毛髪内部までの浸透は難しく、さらに化学反応も起こしません。そのため、塩基性染料も染着の場所は毛髪の表面付近です。そのため色落ちはしやすいです。

プラスの電荷をもっています。主にヘアカラートリートメントに使用されます。

 

※最初から発色しているのでカラー剤自体の色がそのまま毛髪につくイメージです。

 

◆皮膚についても取れやすいです。

 

HC染料

HC染料も2001年の規制緩和で使用できるようになった新規染料です。

酸性染料や塩基性染料よりは小さく、酸化染料よりは大きな染料です。塩基染料と違って毛髪内部に浸透される成分ですが、簡単に流出もする成分で、それほどの染着力はないので補助的に使用されることが多いです。

 

電荷をもっていない。だからこそヘアマニキュア・ヘアカラートリートメントいずれにも補助的に使用できます。

 

※最初から発色しているので、カラー自体の色がそのまま毛髪につくイメージです。

 

 

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ヘアカラートリートメント(塩基性カラー)は塩基性染料とHC染料

グレージュカラー・メルトカラーの上手な美容院の見分け方

上記でも書いていますが、ヘアカラートリートメント(塩基性カラー)は塩基性染料をメインとしてHC染料が補助的に配合されていることが多いです。

 

色持ちはヘアマニキュアよりも圧倒的に悪いですが、逆にそれを逆手に取ることで、「カラーとカラーの合間に使用する」という分野を確立できたとも言えます。

(マニキュアやヘアカラートリートメントが毛髪に残ったままカラーリングをすると色むらになりやすいですので)

 

※塩基性染料とHC染料のほかに、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールという染料等も配合されている製品がありますが、各カラートリートメントメーカーで違いがありますので、その時に詳しく書いていきます。

「4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールの安全性・アレルギー性について」

 

ヘアカラートリートメント(塩基性カラー)でサラサラになるのはなぜ?

勘違いされている方がたまにいらっしゃいますが、ヘアカラートリートメントとヘアマニキュアを比較した時にヘアカラートリートメントの方が仕上がりがサラサラなのは、染料の違いによるものではありません。

 

ヘアカラートリートメントのベースはシャンプー後に利用するトリートメントと同じです。その中に塩基性染料等の染料を配合して作られています。

つまりヘアカラートリートメントの仕上がりがサラサラなのは、染料のパフォーマンスではなく、普通にトリートメント剤のパフォーマンスに寄ります。

 

その点、ヘアマニキュアはトリートメントとの相性が非常に悪いので、トリートメント後のサラサラな質感は出ません。

 

つまりヘアカラートリートメントの手触りの良さは、トリートメントの手触りの良さであって塩基性染料の手触りがいいわけではありません。

 

 

当ブログでのヘアカラートリートメント実験でおすすめ1位は同率で

  • マイナチュレヘアカラートリートメント
  • 利尻ヘアカラートリートメント

です。

 

【マイナチュレカラートリートメント実験結果】


【利尻ヘアカラートリートメント実験結果】

 

ヘアカラートリートメントで緑色?

美容院で失敗したら返金できる?

ヘアカラートリートメントを使用していると緑色になってしまうトラブルが起きるときがあります(>_<)

が、実は理由はハッキリと分かっていません。

 

ただ有力な説の一つとして、カラートリートメントの染料は「赤・青・黄色」の組み合わせで茶色を作っているのですが、それぞれの染料で分子量(大きさ)が違うので、毛髪のどの辺まで浸透するかはそれぞれ違います。

 

浸透に違いがあるので、カラー・パーマ・シャンプー等などで色落ちするときに「赤・青・黄色」の色素が均等に色落ちするわけではありません。

仮に赤の色素が「色落ちする過程」で多く流出してしまうと、青と黄色が毛髪内部により多く残り「毛髪が緑色に見える」ということが考えられています。

 

ただ、最近のヘアカラートリートメントはかなり進化したのか?以前よりも緑色になるトラブルを聞かなくなってきました。

 

実際、美容院での施術でも塩基性染料を使用するようになっていますが、あまり緑になったことはありません。というか僕は緑になったことはありません(周りの美容院でそんあことがあったという話を聞くくらいですが、まれな症状です。)

 

マイナチュレ・利尻ヘアカラートリートメントで緑になる!?

以前は「利尻ヘアカラートリートメント」などで「緑になっちゃう」という話は聞いたことがありました。

で、最近はリニューアルを重ね改良され、あまり緑になる話は聞きません。

そもそも利尻昆布で緑になる話が多かったのは圧倒的なシェアを誇っていたからです。

 

一昔前は、「ヘアカラートリートメント」=「利尻昆布のアレのこと」という解釈が多かったので(それだけの圧倒的なシェア)、我々美容師側も「ヘアカラートリートメントで緑になった」=「すべて利尻カラートリートメントのせい」だと思っていましたので(^^;)

今思えば、ほかのカラートリートメントで緑になる事例も、はたまた硝酸銀配合ヘアカラークリーム(次の項目で説明あり)で緑になるケースも一緒くたに利尻カラートリートメントのせいにされていた感はありますよね・・・。

 

実際にこのブログで多くのヘアカラートリートメントを実験した結果だと、むしろ一番多くの利用者がいて、改良もかなりの数されているので、一番緑にならなそうに調合されているヘアカラートリートメントの一つですよ。

そしてマイナチュレは初めっから緑問題を解消した状態で発売されている感じなので、そもそも「緑になる」という情報を聞いたことがありません。

 

【マイナチュレカラートリートメント】


【利尻ヘアカラートリートメント】

 

 

硝酸銀配合カラークリームは、カラー剤の影響で緑色!!

サンカラーマックスで緑色

朝、白髪の気になるところにヘアクリームを塗り込んでおくと、日中、太陽などの光に反応して発色して白髪が黒髪や茶色に染まるというヘアクリームがあります。

これは、硝酸銀という光に反応してだんだんと黒く発色する成分が配合されているのですが、この硝酸銀はヘアカラーやパーマ液のアルカリと反応することでマット系の緑に変色します。

ですので、硝酸銀配合カラー剤をされるときは、通常のカラーやパーマはできないと思ってください。

※朝塗布しておけば、一日の生活中に光に自然と当たっているうちに色が付くので手軽ではあります。ただデメリットも大きいということです。

「サンカラーマックス(光で染まる白髪染)で髪が緑色になる!?」

 

ヘアカラートリートメントと硝酸銀で緑になるケースが混同されて、「ヘアカラートリートメントで緑になる」ということがことさらアナウンスされている現状があります。同じ緑になった時厄介なのは「硝酸銀」です。

 

ヘアカラートリートメント(塩基性カラー)は美容師としておすすめできる?

ヘアカラーの頻度・ペースは?

美容師はヘアカラートリートメントを嫌う人が多いです(僕も)。

理由は美容院でカラーリングをするときに、すでに色素が毛髪内に混ざっていることで、変色したりムラになりやすいからです(>_<)

決して美容院でのカラーシェアを取られちゃうから反対しているわけではありません(笑)

 

メリットとデメリットをご理解いただいて、使用される分には、白髪のストレスから解放される便利アイテムだと思います。

 

ヘアカラートリートメント(塩基性カラー)のメリット

  • 傷みが全くない
  • サラサラに仕上がる
  • 日々のケアに組み込むことで、人によっては美容院でのカラーの必要性がなくなる
  • 月1の美容院での白髪ケアだと、美容院来店直前は白髪が目立つストレスがあるが、ヘアカラートリートメントは日々のケアが出来ることでストレスなく生活できる。

 

ヘアカラートリートメント(塩基性カラー)のデメリット

  • サロンカラー・ホームカラーと相性が悪いので、ちゃんぽんで利用する場合の運用が難しい(ムラに染まりやすい)
  • 黒髪は明るくならず白髪部分にのみ色が付く(正確に言えば黒髪にもついていますが、黒が強いので染まっていないように見えます)。
  • 褪色が早い
  • 1回での染色では染まりが悪く、日々利用することで色の発色を強めていく必要がある。

 

個人的には、ヘアカラートリートメントでの良い口コミ・悪い口コミの境界線は

  • ヘアカラートリートメントは一度の利用では薄い発色で、日々利用して濃くしていくものです。その辺の理解が足りないで利用した場合、悪い口コミがつきやすいです。
  • 上記の特色を理解して、毎日のシャンプー後のトリートメントの代わりにヘアカラートリートメントを付ける作業にストレスがない人が利用した場合、良い口コミがつきやすいです。

 

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最後に

終わりに

ヘアカラートリートメントはどんどんその数が増え、それだけ利用者も増えてきました。

ですので、美容院側としても「使用しないでね!!」で片付けられる問題でもなくなってきました(>_<)

 

僕もサロンの現場でヘアカラートリートメント使用者の施術をすることも増えてきています(状況によっては断りますが)。

 

その結果、ヘアカラートリートメント毛に対する経験値も上がってきているので、上手く美容院のカラーとヘアカラートリートメントを併用する方法とか、実際ヘアカラートリートメント毛にカラー剤を塗布したときにどうなったかを今後書いていこうと思います<m(__)m>

 

ちなみに結論としては、最近のヘアカラートリートメントはかなり良くなっているので、利用方法を正しく守っていただければ、うまくカラーとカラーの合間で利用できるアイテムになっていると思いますよ♪

※利用方法については、各メーカーの説明に準拠してください。

 

「美容師が徹底検証!ヘアカラートリートメントおすすめランキング」

 

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