今回は取り上げていいものかどうか結構悩んだのですが・・・。
まぁ事実なものはしょうがない!!
最近よく
「あそこの企業はブラック企業だ!!」なんて話がありますよね。
で、政府もブラック企業対策に乗り出してきたじゃないですか?
でもね。よく思います。
一般社会で言われているブラックだと言われている内容って美容院の世界では当たり前・・・。
例えば・・・
- 美容院にはあまり休憩の概念というものがありません。
取れるお店で30分のお昼ごはん休憩だけです。
忙しいお店などでは15分だけです。
しかもそれも「取れるときは」、というだけで忙しい時には休憩0分で10時間以上働きます。 - 美容院には、あまりお休みがありません。
僕の以前働いていたお店は年間休日が70日くらいでした。
つまり1月に6日だけの休みです(正月休みなどすべての休みを含む)
そのサロンは異常な休みの少なさでしたが、平均的にも80日~90日の年間休日ではないでしょうか?
(最近は週休2日+有給で100日超取れるサロンも一部あるみたいです。) - 厚生年金・雇用労災保険などの社会保険への未加入。
最近は「雇用・労災」に入っている美容院も増えてきましたが、まだまだ少ないです。
うちの嫁は妊娠・出産のときに、雇用保険に未加入の美容院で働いていましたので、産休手当などは一切ありません。0円です。ちなみに厚生年金のサロンはホントごく一部です。
- 週の労働時間が労働基準法の定めた40時間を軽くオーバー。
(44時間までOKの特例もあります)
おそらくほとんどの場合52~53時間が営業時間。
+営業時間前に掃除・朝礼
+営業時間後に掃除・終礼これらも含めると約61時間。
さらに営業後には講習会・勉強会もあります。
当然、残業代が出るお店ほぼありません。 - 生活保護の人レベルの賃金。
美容師は新人の頃の相場は大体15万円。
そこから自分で国民年金・国民健康保険などの支払いをしますので手元に残るお金は13万くらい?
まぁざっとあげてこんな感じでしょうか?
勿論もう少し待遇がいいお店もあれば、もっとひどい待遇の場所もあるとは思いますが。(僕が以前働いていたサロンのことですが(;^ω^))
基本的に、ほとんどのお店が上記内容に当てはまるのではないでしょうか?
でも、それが当たり前の中で仕事をしてきているので、
「世の中のブラック企業とか全然ブラックじゃないじゃん♫」
と、思ってしまう・・・(>_<)
よくない傾向ですねww
なんせ美容業界は、美容師になって10年以内に9割が離職してしまう業界ですので(>_<)
こんな話すると、ほかの職業の人は不思議がるんですよね。
・「なんで残業代くれ」って言わないの?
・なんでお昼休みちゃんと取らないの??
etc
もちろん、最近の若いオーナーさんはそういう考えの人もだいぶ増えてきてます。
でもそれでも・・・
現実問題として、そんなことしていては潰れるのを待つだけです(>_<)
9人以内の従業員で営業している美容院は週44時間まで労働時間はOKになります。(普通は40時間)
で、美容院の営業時間って
- 9時~19時
- 10時~20時
- 11時~21時
など、10時間営業のサロンが多いです。
で、30分休憩の場合、労働時間は9時間30分。
仮に週5勤務にしても47.5時間でオーバーします。(この時間には、営業時間前や後の掃除や朝礼・終礼の時間は含まれていません)
じゃあ営業時間減らしますか?
10時~18時にした場合6日間営業で45時間(これでも1時間オーバーしますね(/ω\))
でも18時に終わるってことは、カットの受付が17時。パーマ・カラーは16時ですよ。
それなら10時間営業でシフト制にして、
- 10時~17時
- 13時~20時
とかに分けたらいいですかね?
って・・・。10時~20時で9時間30分も働いている人で相場が15万なんですよ?
上記のシフトの時間だと休憩30分を除くと6時間30分。
つまり3分の2ちょいですので、給与も10万ちょいくらいで良いですか?
シフト制にして、労働時間を法定に準拠した場合、今まで通りの給料を出さないんじゃなくて出せないんです。
そんなことしたら潰れますので(>_<)
etc・・・。
なんて言い訳ばっかりしていてはダメなのは百も承知ですがこういう業界です・・・。
これだけブラックな社会で働いている人たちの多くが、気持ちよく働けているでしょうか?
いろんな不満を抱えながら働いています。
勿論どこの社会でもそんなことがある事は重々承知していますが。
そんなモチベーションで働いている美容師がいい接客が出来るでしょうか?
ヘレンケラーでもあるまいし・・・(-_-;)
結局、「接客も技術も上手い!満足!!」って多くの方に感じていただける美容院って、働いている美容師が気持ちよく働けている美容院だと思うんです。
僕が昔大変感銘を受けた話で、
確か九州の方の美容院で、上記のようなブラックな体質とは全く違うのに上手くいっている美容院があるんです。(勿論労働時間などはかなりの量ですが)
で、そこのオーナーさんの考えは、
「自分が幸せでなければ、相手を幸せにすることはできない。自分の心の水がめが満たされて、こぼれ落ちたとき、そのこぼれ落ちた分だけ、自然と優しい気持ちで接客が出来る」
ちょっと違うかもしれませんがこんなニュアンス。
チョーよくわかりますよね。
確かにきれいごとで言えば、「自分がどんな境遇でも100%出します!!」ってことなんでしょうけど、それって無理に笑っているってことじゃないですか?
いつかストレスになって暴発するかもしれませんね。
このオーナーが言ってるのは、無理に笑うんじゃなくて、自然と心から笑っていられれば、「お客様に自然とこぼれ落ちた優しさが出せる。」
そうすればお客様も気持ちいいからまた再来する。
結果お店は繁盛して、スタッフにもゆとりのある生活を送らせることができる。
最高の循環ですよね♫
でも、これ、どこでも出来るもんではありません。
このお店はちょっと田舎の方のお店だったので、価格競争がそんなに存在していなかったんです。
今の時代、ちょっとした地方の大都市ならどこでも価格競争の嵐ですよ。
そういうところで戦っている場合、なかなか理想を貫くことは難しいです。
だって理想の循環の生まれる美容院になる前に潰れちゃいますからね(>_<)
と・・・今回言いたかったことは、ある程度の都市で起こっている価格競争。
その結果ちょー安いお店が乱立して、過酷労働を強いられていますから、そりゃ笑顔も出せなくなってくる美容師もいるでしょう。
だって安くて忙しいお店ほど、薄利多売でチョー働かなくてはいけませんから労働環境は上記に書いた内容よりも劣悪ですよ(>_<)
休憩なんて0分ですよ。
で、10時間の営業時間+その前後の掃除と朝礼・終礼でその後練習。
皆カラーとか作る消毒室にペットボトルとかパンを置いて、カラー作りながらちょっとつまんだりするだけですよ。
それが毎日・・・永遠と続くんです・・・。
そりゃ、ミスも増えれば、ぶっきらぼうの人もいれば、適当な人もいっぱいいるでしょうね。
逆にある程度の価格帯のサロンで口コミの評価も高ければ、繁盛しているでしょうからスタッフも心に余裕を持ちながら仕事が出来ているでしょうから、お客様に対してのモチベーションも高いでしょうね。
といっても・・・。
そんなお店でも一般的にブラックと言われているくらいの環境のサロンは多いんですけどね(>_<)
まぁ半分グチのような、美容院の実態でした。
でも、美容院ジプシーネタを書いているこのブログで高いお店をすすめている理由の根底は今回の話にあると思っています。
一応付け足しておくと、環境を改善しようという動きはありますがね・・・。
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