たまにお問合せ頂く質問があります。
「私が行っている美容師は梳きバサミで削ぐのですが辞めた方がいいですか?」
とか
「上手い美容院を探す時の基準は梳きバサミを使っていないことですか?」
みたいな質問ですね。
結構勘違いしている方が多いようなので、その辺のことについて書いていきますね
梳きバサミを使う上手い美容師もいる
カットの上手い下手は梳きバサミを使うかどうかで判断されるものではありません。
逆に、ハサミをふりふりしながらするカット。
エフィラージュカットとかエフェクトカットとかいろいろ言い方がありますが、このブログでは、これらの「ハサミふりふりカット」を総称して「ストロークカット」と言いますが、ストロークカットをするから上手い美容師なわけではありません。
ストロークをする動作だけなら1~2日ずーっと振る練習してれば誰でも出来ます。
昔「キムタク」はビューティフルライフでちょっと不格好なストロークをしていたような記憶がありますが、あれくらいなら1日、2日フリフリハサミを振っていれば誰でもできるようになります。
ですので今このブログを読んでいる美容師ではない”あなた”でも、2日間ずーっとハサミをふり続ければ、見た目だけはやってる感があるように見せることは簡単です。
問題は、梳きバサミもストロークも適切なタイミングで、適切な部位に適切な理由で使用できるかどうかです。
家の建築で考えてみましょう。
通常は土台になる家の基礎工事をして、建築士が引いた図面を基に大工さんが家を建てる。
↑美容師の場合はこれを全部一人でやってお客様の髪型を作ります。
ヘアスタイルにも設計図というものはあります。
全員の美容師が設計図を引けるわけでは当然ないですが・・・。
で、一応設計図を引けることを前提とした場合。
(引けない人の方が多いです。僕がスタッフ雇った時も全員スタイリストでしたが一人も引ける人はいなかったので教えました。引けるかどうかで、ヘアスタイルへの応用力やスタイル持ち等に影響が出ます)
髪型において一番大事なのは、土台作りと正確な設計図です。
そして、この時に必要なスキルは、ストロークや梳きバサミではありません。
ここで必要なのは、理論とその通りに正確にカット出来る腕です。
(正確にいえば、これは削ぐ前の話。長さを切る時にもストロークを使うことはありますが、今はその話はスルーして下さいm(__)m)
で、梳くって言うのはこのある程度、家が完成されたタイミングで仕上げのディティール作りにするんです。
つまり、削ぎって言うのはある程度計算された髪型が出来上がった後に、そこに軽さを出す・束感を出すetc時に必要な技術です。
ですので、
ほぼベースの出来上がった家=髪型がめちゃくちゃであれば、ストロークで削ごうがどうにもならないです。
逆にベースの家=髪型がびしっと計算されて作られていれば、梳きバサミで削ごうがいいヘアスタイルになります。
なんかシャンプー剤と似ていますねw
僕のブログでシャンプーネタを読んで頂いている方にはわかると思いますが、シャンプーってのは一番大事なのは洗浄成分(界面活性剤)。
で、+αで補修剤や○○エキスや○○オイルのようなものが配合されていますが、良い補修剤入れようが、洗浄成分が粗悪であれば、もうそのシャンプーには価値がないんですよね。
ダメシャンプーです。
んで、「CMシャンプーの多くはそういう作りです。」ということを過去記事で書いてきましたが(シャンプーの真実/見分け方)、
まさに「カットで言うところの設計図とかベースカット」がシャンプーだと「洗浄成分」。
で「削ぎ」ってのは、「補修剤」ですね。
ですので補修剤=削ぎ方(梳きバサミorストローク)ってのは、洗浄成分がよくない時点でもうどうにもならないんですよね。
ですので、削ぐ時に「梳きバサミ」を使うか「ストローク」をするかで美容師の上手さがわかることなんてないです。
逆にストロークって見た目がいいじゃないですか?
でも、先程も書いたように1~2日ハサミふりふりしてれば素人の人でも覚えられます。
ふり方だけはですよ。
ですので、技術はないけど
- 「目立ちたい!!」
- 「かっこつけたい!!」
って美容師は、無駄にストロークをします(=_=)
そうするととんでもない悲劇的な髪型になることもあります(;O;)
で、削ぎ方にも理論はあります。
ちゃんと理論や経験に裏打ちされた技術であれば、削ぎ方が「ストローク」でも「削ぎバサミ」でもそのヘアスタイルは良いものになるでしょう・・・。
ってことです。
ですので下手だと感じたのなら、ただただ下手な美容師さんに当たってしまっただけです(>_<)
そしてその人がたまたま梳きバサミだっただけです(>_<)
ちなみに梳きバサミのみで削ぎ続けた場合に大変なことが起こることはあります(>_<)
⇒「美容院で髪の毛スカスカ。すきバサミで梳かれすぎた髪はカットが大変」
というのが基本的なお話。
ちなみに
僕は髪の長さを切る時も、髪の毛を削ぐ時も必要に応じてストロークを使います。
そしてもちろん梳きバサミも使います。
だって突き詰めれば、それぞれの技法に得手不得手がありますのでケースバイケースで全ての技法を使い分けるって言うのが正解だと思っています。
梳きバサミ使いの美容師は、
「ストロークやるやつなんてかっこつけたいだけでしょ」
って言ってる人も多いです。
でも、こういうこと言うおじさんは、恐らくストロークをちゃんと突き詰めてやってないんです。
確実にストロークで削いだ方がいいケースってありますので。
逆にストローク使いの美容師によっては「梳きバサミを使う美容師」を下に見ている人もいます。
でも、確実に梳きバサミ使った方が良いケースってあるんです。
ですので、ストローク、梳きバサミ、その他カット技法のいいとこどり、一人のお客様の髪の毛でも、その部位部位で一番合った技法を使うのがベストなのかなぁ・・・。
と個人的には思っていますm(__)m
梳きバサミは気にせずにこんな方法で美容院を探してみてください♪
⇒「美容師に上手いカットと丁寧な接客をしてもらえる裏技♪」
⇒「人気美容師を見つける裏ワザ(禁じ手?)」
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