最近の市販のシャンプー&トリートメントの仕上がりは「すごいおさまりよくて、つるつるのさらさら♪」と感じますか??
僕も仕事柄、実験がてら市販のシャンプーを試すことは多いのですが、恐ろしいくらいにしっとりというかぺったんこに収まって・・・
これって一般的には良いことのように受け止められるし、実際とてもうれしいことですよね♪
それはとてもわかるのですが・・・
美容師的には、
「ちょっと怖いなぁ・・・|д゚)」
と思います。
メイク髪とは?
メイク髪なんて言葉は存在せず、勝手に僕がつけた名前ですが、要は
「シリコンやオイルで毛髪表面を覆うことでツヤ感を出していたり、コテやアイロンで仕上げているような髪形」
を勝手にメイク髪と命名してみました。
先ほど書いたように、市販シャンプー&トリートメントでしっとりおさまりがすごい良くなった状態ってのが、まさにメイク髪です。
メイクによって人工的に作られた感触ですので収まり自体はとてもいいです。
(今流行りのオイルシャンプーもオイルによるコーティングですので同じことです⇒「オイルシャンプーはシリコン入りシャンプー?ノンシリコンとの違いは?」)
一応美容師として20年弱、数多のシャンプーを試してきましたが、そして毎日多くの方にシャンプーをしてきてわかったことは、シリコンの配合されていない商品で「トュルン♪」という感触が起きることはありません。
(CMなどでは良い質感の表現で「トュルントュルン♪」という言葉が使われることがありますが、僕的には「厚化粧です」と言っているように聞こえます(;^ω^))
ですので、最近のシャンプーが一昔前よりも「すごいトュルントュルン♪」になると感じているとしたら、それは以前よりもメイクされているだけです。
つまり
●ツルツル・トュルントュルン=厚化粧をしている
ということですね。
メイク髪のデメリット
で、ここで何が問題(デメリット)になるかというと、その分洗浄力を強くしないといけないということなんです(>_<)
想像してください。
お顔でもメチャクチャ濃くメイクしたら、しっかりメイク落とすのって大変ですよね?肌に負担ですよね??
それと同じことですので、毛髪がメチャクチャツルツルのしっとりになっているとしたら、超超濃いメイクをしているということですので、その厚化粧を落とすために洗浄力は強くしなくてはいけません。
ってことは毛髪への負担は増します(>_<)
だからと言って、厚化粧しているのに負担を考慮して洗浄力が弱ければその日のオイル&シリコン成分(メイク成分)が取り切れず日々積み重なることでシリコンやオイルによる弊害が起きてしまいます。(べたべた・パサつき・毛髪の硬化など)
ですので、オイルやシリコンが多く配合されているほど、それに比例して洗浄力を強くしないとバランスが取れませんが、その場合その強洗浄力がゆえに毛髪ダメージ的にはマイナスだと思うんですよね。(>_<)
でも、多くシリコンとオイルを配合することで仕上がりの満足度は高まるんです・・・難しいですね(>_<)
※「強洗浄力+シリコンイン・オイルイン」の組み合わせは、毛髪表面は硬化して、内部成分は流出しやすいです。これが以前も記事にしているストロー毛というもので、カットやパーマが思うようにならない原因になったりします(>_<)
⇒「ホームカラーや市販シャンプーが美容院ジプシーの原因になる?」
コテ・アイロンによるメイク髪
コテ・アイロンも同じで、コテをすることでパーマでは実現不可能なきれいなウェーブも出せるし、アイロンを使用することでとても自然な直毛スタイルを作ることもできます。
ツヤ感も出てとっともきれいですよね♪
でも、高温にさらされた毛髪はとってもダメージを追います・・(>_<)
まあシリコンや天然オイルがファンデーションなどのメイク道具だとしたら、コテ・アイロンはアイプチとかつけまつ毛とかそういうアイテムのイメージですかね。
って感じで、メイク髪というのは、厚化粧をするので見た目の満足度はグッと高くなるかもしれませんが、内面からの美しさではないんですよね。
あっ!それが悪いと言いたいわけではありません。
ちょっと読み進めてみてください<m(__)m>
スッピン髪とは??
これはそのまんま何もついていない、コーティングもされていないし、コテもアイロンもしていない髪の毛の状態。
何の加工もせず、スッピンで良い状態の毛髪コンディションを保つには、優れた洗浄成分のシャンプーで、”シャンプーによる毛髪ダメージ”を極力抑えることが大切です♪
美容師の立場から見ても、加工された髪(メイク髪)は施術がしにくいです。実は強ダメージがあった場合に本当のダメージが毛髪表面が加工されていることで見えにくくなり、薬剤選定がしずらくなることから施術ミスの原因になったりします(>_<)
すっぴん髪ならダメージの度合いがはっきりとわかるので、それに合わせてカラーやパーマのお薬の調合をコントロールしやすいですし。
お肌で考えても、メイクして美しいのも良いですけど、スッピンの状態が美しいってのが理想的ですよね・・。
ただ、元がダメージ毛でメイク髪だった人が「すっぴん髪」になろうとすると、ダメージが表面化してきますので
- ツヤなし
- おさまりなし
- まとまりなし
なんて途中経過になるときがあります(>_<)
が、継続して使用し続けることで「メイクでごまかした毛髪コンディション」ではなく、その人本来の健康な毛髪に近づいていけます♪
美容師的にもこの方が髪の毛をコントロールしやすいですので助かります(;^ω^)
⇒「注文した髪型と違う髪型になる原因はダメージにある?」
⇒「ホームカラーや市販シャンプーが美容院ジプシーの原因になる?」
※お肌で考えればニキビなどの吹き出物をコンシーラなどで隠すのを止めると、それが表面化するので途中経過はストレスかもしれませんが、それを続けることでニキビが解消され結果お肌のコンディションがよくなりますよね♪
というのが「すっぴん髪」
で、この記事の本題「あなたはどっち派??」って話です↓↓
「メイク髪・スッピン髪」好みはどっち?
ここまでを読んで「メイク髪とスッピン髪どちらが好みですか?どちらを目指しますか??」
ここまでを読むと流れ的には「すっぴん髪!!」と言わせたい感じですよね(;^ω^)
でも、答えはどちらでも正解だと思うんです。価値観の違いですので。
これって、「整形する人は、なぜ整形するか」と同じことだと思うんです。
整形する人って「肌のコンディションが悪いから整形するわけではないですよね??」
どんなに素肌がきれいでも「そもそもの自分の容姿に納得がいかず、加工したくなるんですよね??」(他の理由もあると思いますが)
要はどんなにお鼻周辺の肌コンディションが良くても、根本的にぺちゃんこ鼻が嫌だから、鼻の整形をするんですよね。
で、この場合、整形後に必要なメンテナンス??も覚悟のうえで施術をしているんですよね。
だって、本来の状態を強引に変形させるわけですから、ダメージは当然追っています。
でも、見た目は満足いく容姿になったんですよね。
そのおかげで自分に自信が持てて、毎日が楽しくなったのだとしたらとても良いことだと思います。
毛髪も同じで、どんなにダメージも少なく洗えて、シリコンなどにも頼らずに本来の健康毛に戻ったとしても、そもそもの髪質が気に入らないこともありますよね?
本来の髪質がくせ毛でぱさぱさで収まらない毛髪の人もいますので。
そうなると、「メイク(高重合なコーティングやコテ)をしてでもいいから自分の理想の見た目の髪型にしたい!!」という願望がわくのも至極まっとうな話で。
ただ、その場合は顔の整形と同じように、、、というのは言い過ぎですが、ダメージのリスクがあるということも受け入れないといけないんだと思うんですよね。
見た目が美しくなっても、その内側が美しくなっているとは限りませんので。
で、その場合、カットやパーマ・カラーに悪影響があるかもしれないこともご理解いただきたいんです(あくまでも高重合されすぎたシリコンのことで、シリコンが入っていたら全部ダメという話ではありません。強い洗浄力+シリコンとオイルでコーティングしてツヤサラにするシャンプーなどのことです)
やはり何でも理想を追求すれば、代わりに何かしらの代償が必要になるんですね(>_<)
その最たる例が縮毛矯正ですよね。元の毛髪がくせ毛でぱさぱさでまとまらない人が縮毛矯正をするとつやつやのきれいなストレートになります。まさに整形ですね。
で、見た目はつやつやサラサラですけど決して毛髪ダメージがないわけではなく、カラーやパーマなどいろいろなケミカル施術の中で一番負担になる施術です(>_<)
「最もダメージを負うけど、見た目の希望は叶った♪大満足♪♪」であれば、くせ毛でぱさぱさでまとまりのない健康毛よりも、ダメージがあっても見た目はつやつやストレートの方がうれしいですよね♪
ただ強ダメージを負ったので、その後のメンテナンスはしっかりしないといけないし、途中で飽きてパーマをかけたくてもうまくかかりません。カラーもムラになりやすいです(>_<)
と、代償も伴います。
でも本人的に一番のストレスである毛髪のまとまりのなさ・パサつきがなくなればとっても満足ですよね♪
ちなみに今現在「くせ毛・ぱさぱさ・まとまりのない毛髪」をノンダメージでつやつやストレートにできる技術はありません。
ここまでもひっくるめて改めて聞きます。
あなたは「すっぴん髪派?」「メイク髪派?」どっちですか??
美容師は「すっぴん髪派?」「メイク髪派?」
おそらく美容師も「スッピン髪派」か「メイク髪派」かのスタンスで仕事をしていると思うんですよね。(自分で自覚しているかどうかは別にして)
例えば僕の記事でも紹介したことがある「DAIGO」さんという美容師。
⇒「モテ髪師DAIGO(義永大悟さん)という美容師と美容院PEACE」
この方は、「仕上げ」はほとんどコテ仕上げのようですし、懇切丁寧に自分でコテを使用する方法もレクチャーしているみたいです。
ある日のテレビでは、海にくり出して、海にいる女性の髪の毛をその場でコテでセットしてきれいなスタイルに仕上げていました。
これって一方の側面から見れば、「大丈夫??むちゃくちゃ傷むんじゃない??海でアルカリに傾いている毛髪をそのまま高熱処理って考えられない・・・|д゚)」って思っちゃうのですが、
もう一方から見ると、セットされた女性は皆さんとっても喜んでいたんですよ♪(彼氏も喜んでいたし・・・。)
確かに海風にやられてバッサバサだった髪の毛がコテで仕上げることでツヤ髪に変身♪(内部ダメージは進んだとしても)
一番大切なのはお客さんが喜んでくれることだと思えば、これもありですよね。
つまり、
傷めないこと・健康毛を追い求めてほしいとは思いますが、その結果見た目が悪くなちゃったらハッピーじゃないですよね(>_<)
だったら、少しダメージがあることは理解したうえで、見た目を取るってことも「アリ」ですよね。
一番大切なのは満足度??
この話もひっくるめて、もう一度考えてみてください。
あなたはスッピン髪とメイク髪どちらがいいですか?
・・・
ちなみに僕は「この中間より少しスッピン髪派」です。
ズルイ(笑)
要は優れた洗浄成分などを利用することでスッピンきれい髪を目指していただきたいですが、そのスッピンの仕上がりに満足するかはわかりません。
元々の健康バージン毛がきれいなツヤ髪の人なら、迷わずすっぴん髪を目指していただきたいですが、バージン毛の状態で、くせがあってバサバサ髪の人もいます。
ですので、そのような人には優れた洗浄力などの前提は変えずに、シリコンイン、オイルインのものをうまく利用してそのバサバサ感を解消して満足のいく仕上がりにするのは「アリ」だと思っています。
そして、そういうイメージのものをこのサイトではおすすめシャンプーとして紹介しています。
⇒「おすすめシャンプー解析」
ずっと市販のシャンプーに慣れている方が、上記のおすすめシャンプーに変えると最初は違和感がある方もいます。今までより収まりが悪くなったように感じたり等ですね。(もちろん初めからいい意味で「全然違う♪」と感じていただける方も多々いると思いますし、収まりがよくなったと感じる方もいると思います)
でも一本試しに使い続けてみてください・・・いや・・・できれば2本くらいですが・・・。
そのあと市販のシャンプーに変えてみてください。
そうすると僕が言っているメイク髪(厚化粧髪)の意味がよりわかると思うんです。
「あーこの感触かぁー」って。
で、結果として
「この仕上がりがやっぱり好きだ――――!!」と感じたのであれば、そういうシャンプーに戻したらいいと思います。(その場合はメイクヘアであるということはご理解しておいていただきたいのですが)
でも、逆に「あーこれが人工的な厚化粧の質感ってことかぁ。もう私にはこの感触は受け付けられなくなったな」と思ったら、そのままおすすめしているようなシャンプーを使用していただけると嬉しいです<m(__)m>
実際は後者の方の方が当店のお客さんでも圧倒的に多いです<m(__)m>
ぜひ試して見てくださいね♪
◆艶々ツルツル髪になるけど毛髪の負担も少ない優れたシステムシャンプー&トリートメントも最近は登場しています。高いけど(;^ω^)
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