日常で髪にダメージを負うリスクに「髪の毛のコーミング・ブラッシング」があります。
「えっ!?ネット上ではよく推奨されているけど??」と思いますよね(;^ω^)
確かにネット上では
- シャンプー前のコーミングで、絡んでいる毛髪をほぐしましょう!汚れを取り除きましょう!!
- ブラッシングをすると頭皮に適度な刺激があって育毛に効果あり!!
という説明を見かけます。
実際にコーミング・ブラッシングは良いのでしょうか?
この答えは
時と場合による
です。
コーミングやブラッシングは正しくしないと毛髪に摩擦を起こしてキューティクルダメージを起こします。
ですが、逆にコーミングやブラッシングをしないと絡んでしまうほどコンディションが悪いときや、あまりに汚れが付着しているときはコーミング・ブラッシングをすることで逆に毛髪への負担を減らすことになります。
だからコーミング・ブラッシングを推奨するかしないかは「時と場合による」んです。
さらに、「コーミング・ブラッシングによる適度な頭皮への刺激は育毛になる」と思いますが、適度な刺激を得るほど引っ張るということは、毛髪には摩擦ダメージが起きやすいということです(>_<)
以下細かく説明していきますので、すべてを理解したうえで実際にコーミングやブラッシングを自分はする必要があるのかないのかを判断してくださいね。
ちなみに、個人的には必要性がある人以外は「コーミング・ブラッシング」はする必要はあまりないと思っています。
コーミングはした方が良い?
僕はサロンでお客さんに「コーミングはした方が良いの?」と聞かれれば、毛髪コンディションによって違いはあるものの、基本的には「あまりしない方が良い」と答えます!
「えっ!?」
ですよね(^^;)
イヤ、ほんと、、、コーミングはやり方を間違えるとただただ毛髪に負担をかけるだけですので、必要な時もありますが、基本的にはあまりする必要はないかな・・・と思っています。
例えばこんな実例がありました↓↓
コーミング・ブラッシングを止めて毛髪コンディションが向上した実例
当サロンに
- 「超細毛、薄毛、くせ毛」でポワンポワンと広がってしまう髪質。
- 肩くらいの長さ
- 60歳くらいの女性
というお客さんがいます。
このお客さん、当店に来店し始めた当初は「毎回、鳥の巣のように絡まった状態」で来店されていたんです(/ω\)
3ヵ月に一度ペースでカット・カラー(ヘナ)でのご来店です。
で、2~3回目の来店の時に、カウンセリングでいろいろ「鳥の巣になる理由」を探していた時に
「絡まらないようにいつもコームを持ち歩いていて、コーミングしているのに全然ダメなのよね(>_<)髪切りに行くタイミングは、いつも絡まりがどうしようもなくなったら行くようにしているの」
とおっしゃったんです。
もうすぐにピンときました。
「これだぁ!!!!!」
と・・・。
そうです。このお客様は、薄毛・細毛・くせ毛・ポワンポワンで収まりが悪いから、出先でもお風呂前でも、シャンプー中でも、いつでもどこでも”良かれと思って”コーミングしていたんですよね。
で、お客さんに「騙されたと思ってコーミングは次の来店までしないで過ごしてみてください」とお願いしました。
※詳しいコーミングの弊害については、この実例後にご紹介しています。
使っていいのはハンドブロー(手グシ)だけ。
そして3か月経ったある日、来店されました。
その結果は・・・・
もうこの流れでわかると思いますが、はっきりと毛髪コンディションが改善されていることが確認できました(^◇^)
本人もはっきりと自覚できるくらいです。
まあそりゃそうですよね。今まで鳥の巣で梳かせなかったのが、多少パサつきは出ていましたが、全く鳥の巣にならずにいられたんですから。
その後、鳥の巣状態で来店されることはなく、さらに日中も静電気でパサパサになることも少なく、そこまでストレスを感じずに過ごしているようです♪
それこそ今では、むしろツヤ髪になっています♪(ツヤツヤではないですが、そのお客さんの今までの状態を考えるとかなりツヤ髪です♪)
こういう実例があるくらい、コーミングの仕方や頻度・タイミングなど、間違えた方法でしている人は、そのせいでかなり毛髪に負担をかけていますので、コーミング・ブラッシングをするときは以下のやり方を参考にしてダメージを起こさないコーミング・ブラッシングのやり方を覚えていってくださいね!
コーミング・ブラッシングによるデメリット・どんなダメージを起こす!?
コーミング・ブラッシングによる最大のデメリットは、まずは強引に梳かすことによるキューティクルの損傷です。
特にドライ時だと、コーミングによる摩擦で静電気が起きることでダメージをさらに加速させてしまいます(>_<)
冬なんかもう最悪です(>_<)
よく、お風呂前にコーミング・ブラッシングをすることで、
- 汚れを落とす
- シャンプー中にからまらないようにする
などの理由でコーミング・ブラッシングがおすすめされていますが、よっぽど絡まりやすい人以外はシャンプーの前にコーミングなんてしなくてもシャンプーしていて絡まらなくないですか?
そういう人はあえてコーミングをする必要はないですよ。
むしろ間違えたコーミング方法をした場合、そのコーミングのせいで毛髪に負担がかかった状態でシャンプーをしなくてはいけないので悪循環です(>_<)
※例えば冬などの乾燥時期、シャンプー前のコーミングで静電気が起きてキューティクルが毛羽立っている状態でシャンプーを始めたら、いつものシャンプー以上に毛髪に負担大です(;^ω^)
開いたキューティクルから毛髪内部成分が流出しちゃいそうです(>_<)
まあつまり、お風呂前に手グシで毛髪を梳かしてみて、問題なく指が通る・絡まらないのであればコーミングをする必要はないですよ。
ただ、
- 手グシが通らず絡まっている
という状態の場合は、そのままシャンプーをするとさらに絡まりがひどくなりますので、そういう場合は、もちろんコーミングはしていただいた方がいいです。
ただ、その時もコーミングのやり方を間違えないようにしないといけません。(正しいコーミングの仕方は後述です)
コーミング・ブラッシングは育毛に良い?
「コーミングによる適度な頭皮への刺激が育毛に良い」という説もありますが、どうでしょう?
確かに適度な頭皮への刺激は血行促進等、少なからず良い影響もあるかもしれません。
しかし、実際の現場で
「コーミングをいつもしている人」=「毛がふさふさ」と感じたことはないです
逆に
「コーミングをしている人」=「毛がパサパサ」と感じることは多いです。
そこから考えると、育毛への影響は微々たるもの。
それ以上にパサつきやすいリスクの方が高いので、コーミングで育毛のために頭皮に刺激を与えるよりも、シャンプー中にマッサージをして頭皮に刺激を与えた方が良いと僕は思います。
⇒「薄毛の人必見!ハゲないシャンプーの仕方は?育毛は自宅でのケアから~」
次はコーミングの正しいやり方です。
正しいコーミングのやり方
ここまでご案内してきたようにコーミングやブラッシングは個人的にはあまりお勧めではありません。
が、、、それでもコーミング・ブラッシングをしたい人は一定数いると思いますので、その場合に「毛髪の負担にならないコーミングのやり方」をご案内します。
ポイントは2つ
- コームの使い方
- コーミングの仕方
この2つをしっかりと正しく実践できれば、なるべくダメージを抑えたコーミングができますよ。
コームの使い方
コームを使うときはコームの根っこ側?(上記画像赤線)
ここに髪の毛を当ててはいけません。
ここに当てながらコーミングすると強く擦れるのでダメージの原因になります。
だからイメージ的にはコームの先端側(上記画像青枠)
こちら側だけ使ってコーミングすると負担少なめに作業ができます。
まあ想像してもらえるといいと思いますが、絡まった毛髪を梳かすときに、コームの根っこ側(上記画像赤線)をしっかり使ってググっと引っ張りながらコーミングすると強い摩擦が起きすごい毛髪の負担になる気がしませんか?
あとは、広がった毛髪をコーミングで整えるときに、根っこ側を利用してなめすように?押さえつけるように?梳かす人が多いですが、これはもっともしてはいけないコーミングの方法です。(キューティクルをガリガリはがしているようなものです(>_<))
※もちろんあくまでイメージです。本当に一切根っこ側に毛髪が触れないなんてことは無理ですので。
※少なくとも僕が新人の頃働いていた美容院では、入社して結構最初に根元側を使わないコーミング方法を指導されました。ちょっとしたことですが、それくらい注意しないといけない作業です。
おすすめはジャンボコーム
個人的にはジャンボコームなどが毛髪に負担なく使用できておすすめです。
なるべく粗目で、先端などが尖ってなくて丸みがあって・・・というコームがより負担がなくて安心ですね。
その条件に一番当てはまるのがジャンボコーム。
目の細かいコームよりも、負担なくコーミングが出来て安心なんです♪
外出にもっていく普通の大きさのコームもなるべく粗目のコームを利用した方が毛髪への負担は軽くなります<m(__)m>
※先端でも根っこ側でも、鋭利なほどそこに毛髪が触れたときに毛髪が削れるようなイメージになりますので、なるべく丸みがあるタイプのものがベストです。
梳かす順番
コーミングをするときに、いきなり根元(頭皮側)にコームを入れて一気にとかそうとする人がいますが、あれは絶対にしてはいけないコーミング方法です(>_<)
とっても毛髪の負担になります。
正しいコーミング方法は、毛先から順番に梳いていきます。
最初は毛先3~4㎝くらいだけを優しくコーミング(正しいコームの使い方のようにコームの根っこ側に触れないように)。
ここまでをきれいに梳かせたら、今度は毛先7~8cmくらいまでを優しくコーミング。
で、ここまでをきれいに梳かせたら今度は・・・という感じでちょっとずつ根元側に近づいていく感じに梳いていきます。
この方法が一番、負担がかかりません。
根元からコームを入れて強引に梳かす美容師がいたら、「ダメージ対策の初歩中の初歩」が出来ていないという事ですので、ダメ美容師である可能性が相当高いです!
このコーミング方法、一見めんどくさそうに感じるかもしれませんが、逆に一気に梳かそうとすると、梳かしている途中で絡まって、引っかかって・・・。
それをきれいに梳き直す手間を考えると、ちょっとずつ梳くことで最後までスムーズに梳かせるので、慣れてしまうとストレスなくパパッと梳かせますよ。
まとめ
ということで、最後にまとめると
- 積極的にコーミングする必要はない。シャンプーで絡まってしまいそうな場合など、コーミングしないことで絡まりやすくなるリスクがあるタイミングでだけすればOK。
- 絡まないのであればどのタイミングでもコーミングの必要は特にない。手櫛で十分
- コーミングするときは、コームの使い方。コームの種類。コーミングの順番と、正しくすることでコーミングによる毛髪ダメージをかなり抑えることができる。
ほんとこれを実践するだけで当店のお客さんのように毛髪コンディションが改善することはありますので、参考にしてくださいね!
こういう日々の積み重ねによるダメージの蓄積はコーミング以外にも、
- 「シャンプーの選別」
- 「タオルドライの方法」
などがあります。
※30代前半のお客さんでも、「コーミングをしない」「タオルドライの仕方を変える」この2つだけをレクチャーした結果、今まである程度伸ばすと「パサパサになっちゃうから伸ばせない(>_<)」と悩んでいた人が、胸下の長さまで大きなダメージなく伸ばせた人なども実際にいます。
これらに注意していただくことで毛髪コンディションが改善されると、カットやカラーなどもより思ったような仕上がりに近づいていきますので、特にこのブログのテーマ「美容院ジプシー」の人には実践していただきたい部分です。
⇒「ホームカラーや市販シャンプーが美容院ジプシーの原因になる?」
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