なぜなら、シャンプーの目的は「汚れを落とすこと」だからです。
ですので、どんなに優れた
- 毛髪補修成分が配合されていようと
- 育毛ケア成分が配合されていようと
洗浄成分が自分に合わなければすべて台無しです。
そんな非常に大事な洗浄成分
という方もいらっしゃいますよね?
ということで今回は、アミノ酸系・ベタイン系・硫酸系などいろいろある洗浄成分を一覧にしてまとめてみました!
■成分表全体の読み方についてもチェック!
洗浄成分一覧
主要な洗浄成分を一覧にまとめました。
■5段階評価
「5;強い」~「1:弱い」
アニオン界面活性剤
アニオン界面活性剤の中でも細分化されます。
それぞれの特徴と代表的な成分を紹介していきます。
アミノ酸系洗浄成分
とまでは言いませんが、
最低保証にはなると思います。
アミノ酸系洗浄成分は、
「アミノ酸部分」が毛髪や頭皮に留まることで、毛髪がしっとり仕上がりやすい
というのが大きな特徴です。
デメリットとして「洗浄力が弱い」ということが取り上げられることが多いですが、これは少し違います。
おそらく、アミノ酸系洗浄成分としてメジャーなココイルグルタミン酸Naの特徴をアミノ酸系洗浄成分全体の特徴と間違えた解釈が広がったためと思われます。
アミノ酸系洗浄成分は、弱い洗浄成分~少し強めの洗浄成分まであります。
一番のデメリットは、「アミノ酸系成分が留まる=残留する」ので、頭皮に残留した時に、多くの人には保湿成分として有用ですが、一部敏感肌の人は、残留したアミノ酸を異物として認識してしまうことでかゆみなどが出ることがあります。
そんなアミノ酸系成分は
グルタミン酸系
■ココイルグルタミン酸Na
■ラウロイルグルタミンさんNa
アミノ酸系で最も代表的なのがグルタミン酸系です。
- 低刺激
- 低洗浄力
- 泡立ちは控えめ
- 仕上がりはしっとり
とアミノ酸系洗浄成分でイメージされやすいのは、このグルタミン酸系の特徴です。
余談ですが、現在中国が原料「ココイルグルタミン酸Na」を買い占めている影響で、品薄状態なんだそうです。そのため最近の新作でココイルグルタミンNaベースのものは少ないとか・・・
■代表的なグルタミン酸ベースのシャンプー
アラニン系
■ココイルメチルアラニンNa
■ラウロイルメチルアラニンNa
グルタミン酸系と同じく、アミノ酸系洗浄成分の代表的な成分です。
適度な洗浄力&仕上がりも良く、バランスの非常に良い洗浄成分です。
■代表的なアラニン系のシャンプー
グリシン系
■ココイルグリシンK
- 低刺激
- 強洗浄力
- 泡切れが良い
- アミノ酸系としては軋みやすい
アミノ酸系の中では少し変わった立ち位置の洗浄成分です。
ノニオン界面活性剤に似た性質を持ち、洗浄力が強いけど残留性が少ないので泡切れもよくさっぱりと洗えます。そのため軋みも出やすいですが、グリシン系の最大の特徴は「低刺激」ということです。
サルコシン系
■ココイルサルコシンNa
■ラウロイルサルコシンNa
一番古くから存在するアミノ酸系洗浄成分です。
アミノ酸系の中では洗浄力も強く、刺激も若干ある成分です。
特にココイルサルコシンNaは旧表示指定成分に指定されていた成分で、ごくまれにアレルギー症状を起こす成分です。
「アミノ酸系洗浄成分でかゆみが出るときがある」と言われているのは、このココイルサルコシンNaの特徴がアミノ酸系洗浄成分の特徴として広まったからです。
■代表的なサルコシン系シャンプー
イセチオン系
■ココイルイセチオン酸Na
■ラウロイルイセチオン酸Na
- 適度~やや強めの洗浄力
- 低刺激
オーガニック系のメーカー(特に海外)でよく利用される洗浄成分です。
硬水下でも安定した起泡力を持っているので、海外の低刺激メーカーでよく利用されていると考えられます。
アスパラギン系
■ラウロイルアスパラギン酸Na
■アシル(C12,14)アスパラギン酸TEA
- 適度な洗浄力
- さっぱりとした仕上がり
- 低刺激
アラニン系に似た特徴を持っています。
新しめの成分で原料単価がまだ高いため、あまり配合されているのは見かけません。
PPT系洗浄成分
■ココイル加水分解コラーゲンNa
■ココイル加水分解シルクNa
- 低刺激
- 低洗浄
- 補修系洗浄成分
- しっとり仕上げ
PPT系洗浄成分は、ダメージ毛向け洗浄成分として非常に優秀です。
PPT系とアミノ酸系はほとんど同じです。
PPTとは、アミノ酸が2~10個連なった状態のものです。
ちなみにさらに多く連なったものがタンパク質です。
アミノ酸数 | |
アミノ酸 | 1個 |
ポリペプチド(PPT) | 2~100個 |
たんぱく質 | 101個以上~ |
タウリン系洗浄成分
■ココイルメチルタウリンNa
■ラウロイルメチルタウリンNa
■ココイルメチルタウリンタウリンNa
- 低刺激
- 適度な洗浄力
- しっとりサラサラ
メーカーによってはアミノ酸系に含めるなど、こちらもPPT系と同じでアミノ酸系と同列の洗浄成分です。
石鹸系洗浄成分
石鹸タイプは一般に想像する石鹸である「アルカリ石鹸タイプ」と、「酸性石鹸タイプ」があります。
アルカリ石鹸
- カリ石ケン素地
- 石ケン素地
- 強洗浄力
- 強刺激
- 生成分解性に優れる
- アレルギーを持っている人には有用
- ごわつきが強い
勘違いをしやすいですが、俗に言う石ケンは、洗浄力が非常に強く、毛髪にも頭皮にも負担になります。
しかし、生成分解性には優れていますし、原料がほぼ石ケン素地だけなのでアレルギーリスクが非常に低いという意味では安全性が高いです。
「石鹸シャンプーを長年使用しているとハリコシが出る」と言われていますが、それは水分中に存在するカルシウムイオンと結合して生成されるスカム(石のようなもの)が、毛髪に吸着することで毛髪の硬化が起きているだけです。
酸性石鹸
■ラウレス‐4酢酸Na
■ラウレス‐4カルボン酸Na
- 低刺激
- 強洗浄力
- サラサラ~やや軋み
酸性石鹸系は、洗浄力はしっかりあるのに、非常に低刺激という特徴から、頭皮ケアやスカルプ系シャンプーでよく利用される洗浄成分です。
コハク酸系洗浄成分
■スルホコハク酸ラウリル2Na
■スルホコハク酸(c12-14)パレス-sNa
- 低刺激
- 強洗浄力
- 軋みやすい
洗浄力がありつつも低刺激ということで、頭皮ケアやスカルプ系シャンプーでよく利用される洗浄成分です。
高級アルコール系洗浄成分
高級アルコール系洗浄成分は「原価の安さ」から、市販シャンプーで最もよく利用されている洗浄成分です。
硫酸系
■ラウレス硫酸Na
■ラウリル硫酸Na
■(c12.c13)パレス-3硫酸Na
- 強洗浄力
- 中程度の刺激
- 軋みやすい
一昔前はほとんどの市販メーカーが硫酸系洗浄成分をメインに利用していましたが、叩かれることが多い成分なので、最近は使用するメーカーはかなり減り、代わりにほとんど同じ特徴を持つ「オレフィン(c14-16)スルホン酸」が広く使われるようになりました
オレフィン系
■オレフィン(c14-16)スルホン酸Na
- 強洗浄力
- 中程度の刺激
- 軋みやすい
昨今のシャンプー事情だと、ラウレス硫酸Naの代替え成分として、オレフィン(c14-16)スルホン酸Naがよく利用されています。
両性界面活性剤
両性界面活性剤は、洗浄性の高いアニオン(陰イオン)界面活性剤と、リンス成分であるカチオン(陽イオン)界面活性剤の両方を併せ持った界面活性剤です。
- ベタイン系
- アミノ酸系
に分けれます。
ベタイン系洗浄成分
■コカミドプロピルベタイン
■ラウラミドプロピルベタイン
■ココアンホ酢酸Na
- 低洗浄力
- 低刺激
低刺激・低洗浄力の優しい洗浄剤です。
そのためメイン使いの場合はベビーシャンプやダメージケア用シャンプーの基剤として。
補助使いの時は、メインの洗浄成分の洗浄力の強さを緩和するための役割で利用されます。
アミノ酸系洗浄成分
■ラウラミノプロピオン酸Na
■ラウリミノジプロピオン酸Na
- 低洗浄力
- 低刺激
- しっとりサラサラの仕上がり
アミノ酸の良さと両性界面活性剤の良さを掛け合わせたハイブリット洗浄剤。
ベビーシャンプーやダメージケア用シャンプーの主剤として理想的
ノニオン界面活性剤
ノニオン(非イオン)界面活性剤は、イオン性がないので、吸着することがありません。
そのため泡切れもよく、肌への残留性もないので非常に低刺激な洗浄成分です。海外の無添加やオーガニック系シャンプーで読む利用されています。
グルコシド系
■デシルグルコシド
- 強洗浄力
- 低刺激
- 軋む
非イオン性なので肌への残留性がなく非常に低刺激な洗浄成分です。
洗浄力は強く、デシルグルコシドがメインのシャンプーは軋みやすいです。
硬水化でも安定した洗浄剤なので、主に海外でベビーシャンプー・無添加・オーガニック系シャンプーの主剤として利用されます。
まとめ
他にも洗浄成分はいろいろありますが、主要な洗浄成分をまとめてみました。
シャンプーの成分表を見てわからない成分があったらこちらの記事と照らし合わせてみてくださいね。
繰り返しになりますが、洗浄成分以外で優秀な成分が配合されていても、洗浄成分が「自分に合わない」なら、”あなた”にとってはダメシャンプーです。
それくらい洗浄成分は大事ですよ。
■成分表全体の読み方はこちら
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